自然にそった「野菜の切り方」~調和がとれる野菜の切り方について

同じ材料・同じ工程で作ったとしても、食材の切り方を変えるだけで料理の味が全く変わってしまう、ということをご存じでしょうか?

切り方が変わるということは、

    • 火の入り方、柔らかくなるまでの時間
    • 崩れ方
    • 調味料の入り方

など、さまざまな変化が出てきます。そのことで、味や食感にも大きさ差が生まれるため、切り方は実は、料理を決める大事な「要素」ということが分かります。

ここでは、素材自体や料理のおいしさが劇的に変わる、自然にそった基本の「野菜の切り方」をご紹介します。自然にそった野菜の切り方は、持続可能な食べ方としても参考いただけるので、ぜひ試してみてください。

多くの料理法・食事法でも取り入れられている「野菜の切り方」とは?

野菜pixabay

よりおいしく野菜(食材)の味を引き出すには、どのような切り方がいいかというと、マクロビオティックや重ね煮などで取り入れられている野菜の切り方がおすすめです。

例えば、マクロビオティックでは、なるべく自然のままに食べること、自然のリズムや法則に合わせて食べることをすすめています。自然の法則に合わせて食べることで、自分自身も自然な状態(調和のとれた健康的な状態)にバランスを整えることができます。

食材や調理の仕方にこだわるだけでなく、切り方自体にも工夫があり「バランスが整う・調和がとれる切り方」をしていきます。

切り方で大切にすること
包丁とまな板

pixabay

切り方で大切にすることは2点あります。

  • 大きさと形を揃えて切ること
  • 切り身ひとつのバランスが取れていること

大きさと形を揃えて切ることで、食材への火の入り方も調味料の入り方も、すべて均一にバランスよく仕上げることができます。
一部だけ焦げたりすることもなく、食感も整って仕上がります。

また、切ったひとつ(一片)のものの中に、食材の上下・内外のすべてが、まんべんなく入るように切ります。
これも料理をバランスよく作るためのコツです。

この切り方は、マクロビオティックでは基本的な野菜の切り方ですが、そのほかの料理法・健康法実践者の多くが取り入れているのもよく見かけます。

この野菜の切り方の基本を取り入れることで、素材や料理が格段においしくなり、バランス・調和が取れるので、からだにやさしい料理の基礎として参考にしてみてください。

野菜の基本の切り方

斜め切り

斜め切り 斜め切り

※画像をクリックすると拡大できます。

基本として、長細い形の野菜は斜め切りにします。
斜めに切ることで、できるだけ上下・内外がバランスよく入るようになります。

千切り

千切り

※画像をクリックすると拡大できます。

千切りは、斜め切りをしてから、それを細く切るようにします。
通常の拍子切りのように切ってからの千切りでは、それぞれの部位のさまざまな形のものが出てしまいます。

みじん切り

千切り みじん切り

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みじん切りは、上の写真のように千切りにしたものを、さらに細かく切るようにします。すると、大きさや形も揃ったきれいなみじん切りができます。

一般的に玉ねぎのみじん切りなど、最後にランダムに叩くような動きをすることがありますが、マクロビオティックではその工程はありません。

回し切り

回し切り 回し切り 回し切り

※画像をクリックすると拡大できます。

回し切りは、放射状・花びら状に切る方法です。
放射状に切る際に、素材をくるくると回しますので、回し切りといいます。

回し切りは、野菜を全て同じ大きさ・同じ形に切ることができる、マクロビオティックの代表的な切り方です。
さらに、切ったもの一つひとつに、「上・下・中・外」がきれいにバランスよく入っていることも特徴です。

乱切り

乱切りは、一見ランダムに切っているようですが、切ったものそれぞれに外側と内側が入って同じような大きさに切ることができる切り方です。
できるだけ揃えるように切ります。

一物全体を大切に切る
旬の野菜

マクロビオティックでは、一物全体(いちぶつぜんたい)といって、なるべく丸ごとすべてをいただくことを大切にしています。

皮のほうが栄養があるということもありますが、切ったり削ったりしないほうが自然であり、丸ごと食べることは素材を生きたまま食べることでもあります。

そのため、固くて食べられないものなどは除いて、皮はできるだけ剥かずに使います。
例えば、ごぼう、蓮根、人参、大根など、通常は皮を剥いてしまうようなものもそのままいただきます。

皮のまま丸ごといただくというのは、栄養面だけでなく「エコ」という観点でも、生ごみを減らすことができるなど、環境にも体にも嬉しいメリットがたくさんあります。

へたの取り方の例

こちら↓は、人参のへたの取り方の例です。

へたの取り方
※画像をクリックすると拡大できます。
(画像のように、できるだけ無駄のないよう、丸ごといただくようにへたを取り除きます。)

このような切り方で調理した場合、意外にも皮などはほとんど気にならず、それどころか風味も栄養も増し、皮を剥く手間もかかりません。

また、ゴミも少なくてすみます(皮ごと食べるときは、できるだけ農薬の使用が少ないものがおすすめです)。玉ねぎの根が付いている部分も、薄くきれいに取り除いて料理します。

このように、自然にそった野菜の切り方では、素材のバランスを整えて切ることを大切にします。そうすることで、自然と料理もバランスよくおいしく仕上げることができます。

ここであげた切り方は、自然にそった野菜の切り方の基本ですが、絶対ではありません。
仕上げたい料理のイメージ合わせて、場面ごとに合わせ取り入れてみてはいかがでしょうか。

 

 

文=Risa
本記事作成および撮影協力・監修=
管理栄養士、マクロビオティック料理教室「ゆったりマクロビ美人食教室」主宰、松崎恭子先生

 

Eat Act Tokyo編集部

Eat Act Tokyo 編集部 I つくる喜び、たべる楽しさ『自然にそった食べ方、暮らし方』をテーマに季節の食材を使ったレシピや心地よい食べ方を発信。私たちにも、地球にも、やさしい食べ方や暮らし方をご紹介しています。

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