自宅で味噌を仕込み保存するとき、どんな容器が最適なのか多くの人が迷うと思います。
実際に、味噌教室を開催しているとよくいただく質問が『味噌の保存容器の選び方』についてです。
最近は本格的な木桶で仕込む人も増えていますが、使い方を間違ってしまうと長年使えるはずの道具を無駄にしてしまう可能性もあります。
木桶の場合は価格も高価なので、購入するまえにきちんと特性を知って、何十年先まで使えるように大切に扱ってください。
今回は、味噌の保存容器の種類とそれぞれの特性、おすすめをまとめてご紹介しています。容器選びの参考にしてください。
目次
味噌保存容器の種類とその特性、メリット・デメリットなど
1.プラスチック容器
味噌を仕込むとき多くの人がプラスチック容器を選ぶと思います。
選ばれる理由として
メリット
- 安価
- 比較的丈夫
- 大きさもいろいろ選べる
- 手入れがしやすい
- 軽い(持ち運び、移動がラク)
があげられます。
デメリット
- エコじゃない
- 環境ホルモンが気になる
- お洒落なものがあまりない
など。
安価で使いやすいプラスチック容器ですが、環境のことや健康のことを考えたライフスタイルを過ごしている人にはよりこだわったものをおすすめします。
2.ポリ袋
最近はポリ袋で仕込む人も多いですね。味噌作り教室などに参加し持ち帰るときにもかさばらず軽いので選ばれています。
空気を抜けるようになっている味噌仕込み専用の袋もありますし、ジップロックなどを使う人もいます。
メリット
- 安価
- 比較的丈夫(厚めの袋の場合)
- 場所をとらない
- 保存容器がいらない
- 味噌が育ったらそのまま冷蔵庫保存が可能
- 軽い(持ち運び、移動がラク)
デメリット
重石ができない(少量ならよい)ので大容量になると味噌の仕上がりにムラが生まれる。
豆味噌など水分が少なく、長期熟成が必要な味噌の仕込みには向いていない(参考:手前みそのススメより)。
こちらもプラスチック容器と同じで環境や健康という観点からはおすすめしませんが、少量のみ作ってみたいという初心者の人向けになります。
毎年作るという人は、仕込む量に合わせた容器を購入しましょう。
3.ガラス容器
発酵、熟成していく日々の様子を観察できる楽しみから、ガラス容器で仕込む人も増えています。
メリット
- 透明なので発酵、熟成する様子を見れる(子どもと一緒に仕込み、観察するのによい)
- 比較的安価
- 大きさもいろいろある
- 可愛いものも多い
- 小容量なら大鍋で煮沸消毒も可能
デメリット
- 重い
- 割れやすい
- 容器の入り口が狭いものが多く、仕込みづらい
- 重石をしづらい
ガラス容器は、見た目も可愛くお洒落で割れなければ長く使えますが、入り口が狭いため味噌を仕込みづらく、また重石をしづらいため、味噌の保存容器としてはあまりおすすめしません。ですが、お子さんと一緒に仕込む場合に日々味噌が育っていく様子を見ることができるので、ほかの容器にはない楽しみがあります。
4.ホーロー容器
ホーロー容器は味噌の保存に限らず、その他の食材を保存するにもとても優れています。私自身も自宅で仕込む味噌の多くは、ホーローの容器を使っています。
メリット
- 軽い
- 手に入れやすい
- 大きさも形もいろいろある
- 購入しやすい価格帯のものが多い
- 壊れにくい
- 色やにおい移りしにくい
- 洗いやすい(扱いやすい)
- 塩分にも強い
- 外気の影響を受けづらい
- 見た目がシンプル
デメリット
実際に長年使っていて特に気になるデメリットが見当たらないのがホーローです。あえてあげるなら、表面がガラス製なので急激な温度変化に弱いのが特徴です。急激な衝撃にも弱いので、落としたり、強く何かにぶつけたりというのは避けましょう。
味噌の仕込みに使わない場合は、梅干しやらっきょう漬けの仕込みにも使えます。見た目もシンプルで場所を選ばず、軽いので移動もラクです。環境や健康という面でも問題なく使えるのでおすすめです。
5.甕かめ
メリット
- 塩分にも強い
- 外気の影響を受けづらい
- におい移りしにくい
- 大切に扱えば長く使える
デメリット
- 割れることがある
- 重い
- 比較的高価
こだわりのある人が好んで使っているかめは、割らないように大切に扱えば何十年(それ以上?)も使える素晴らしい容器です。外気の影響も受けづらいので味噌の仕込みにもおすすめです。かめは、一生ものとしてお気に入りを見つけたいですね!
6.木桶
最近とても人気が高まっている昔ながらの木桶。長年味噌を仕込んでいる人なら、自宅用にちょうどよい大きさのものをと、探している人もいらっしゃるでしょう。大切に扱えば、何十年と使える優秀な道具です。ほかの道具と同じで、使い続けることが大切です。使いこむほどマイ桶に育っていき、いい味を醸し(かもし)だしてくれます。
メリット
- 比較的軽い
- 使いこむほど、菌も住みつき深みのあるオリジナルな味噌が育つ
- 木の香りがつく(昔ながらの味噌の風味になる)
- 金属を使っていないのでさびにも強い
デメリット
- 管理に知識が必要(教室などで一度正しい使い方を学ぶのがいい)
- 高価
環境にもやさしく、見た目も粋で誰もが欲しくなる木桶ですが、その管理や取り扱い方にはちょっとした知識が必要です。味噌作り教室などで実際にレクチャーを受けてから使うと安心して味噌を保存できます。また、木桶や木樽はその作り方や素材などによっても密閉性や質も異なるので、信頼できるところで購入することが大切です(参考:手前みそのススメより)。
味噌と同様、自分オリジナルに育てていく楽しみがあるのも木桶の魅力です。
味噌保存容器おすすめ
保存容器の種類とその特性をご紹介しましたが、結局どれがおすすめなの?とまだ迷っている人は、下記を参考にしてください。
〇初心者向け(今後作るか分からない人)
- プラスチック容器
- ポリ袋
初心者でも来年も作る予定の人は、ホーローもおすすめです。
〇毎年味噌作りを楽しむ人(または、こだわりの強い人)
- ホーロー
- かめ
- 木桶
〇お子さんと一緒に楽しみたい人
- ガラス(味噌の様子が見える)
- ホーロー(割れにくい、使いやすい)
- プラスチック容器(割れにくい、軽い、使いやすい)
〇毎年いろいろな季節のてしごとを楽しむ人
- ホーロー
ホーローは、そのほかの保存食作りにも使いやすいです。
味噌保存容器購入時の参考
今すぐ味噌の保存容器を買いたいという人は、こちらを参考にしてください。
実際に、自宅で仕込む味噌の量に合わせて購入してください。
※こちらは、一度の仕込み量として過程で比較的作りやすい味噌の量に合わせてご紹介しています(ガラス容器は極少量)。重石をする場合は、重石のことも考えてゆとりのある大きさを選んでみてください。
プラ容器(容量4.8L) | ガラス容器(容量1.3L) | ホーロー容器(容量4.5L) | かめ/壺(容量3.6L) |
どの容器でもその特性を知って使えば、おいしい味噌が育ちます。ご自分のライフスタイルや好みに合わせて使いやすいものを選んでみてください。
皆さんのお味噌がおいしく育ちますように。
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