毎年特に、1~2月になると、いろんなところで味噌作り教室が開催されていますね。味噌作り教室やワークショップの醍醐味は、大勢でわいわい楽しく作れること。興味の合う、気の合う方との出会いも楽しみですよね。
また、友人同士で集まって毎年作っているという方も多いと思います。私自身も、毎年味噌作りが大好きな友人たちと一緒に味噌を仕込む時間が大好きです。
ですが今回は、自宅でひとりで味噌を仕込んでみたいという方のために、自家製味噌(手前味噌)の作り方をわかりやすくご紹介します。
難しい手順は一切ありません。実はとっても簡単に仕込むことができるんです!
毎年味噌教室には参加してるけれど、そろそろひとりでもチャレンジしてみたい、家族の人数が多いからもっと味噌を仕込みたいという方だけでなく、初めて作るという方でも、安心して作れるように自家製味噌の作り方(仕込み方)を具体的に説明しています。
ぜひ参考にしてください。
目次
自家製味噌作りに必要な材料はたったの3つだけ!
自宅で味噌を作る場合、必要な材料はたったの3つだけ!
「大豆、麹、塩」この3つ。とってもシンプルです。
仕込む工程も、大豆を水に浸ける→煮る→潰す→混ぜる→容器に入れる
基本はこの5ステップです。
これだけで、昔ながらのおいしい自家製味噌の仕込みが完成です。
自宅で仕込んだ味噌はわが家だけの味になります。
友人たちと集まって味噌を仕込んで、同じ材料、同じものをそれぞれ自宅に持ち帰っても、熟成後の味噌の風味はみんな違っているのでとっても不思議!そんな面白さや奥深さがあるのも味噌作りならでは。
ぜひ、ご自分だけのマイ味噌を楽しんでみてください。
では、早速味噌を作ってみましょう!!
自家製味噌作りに必要な材料・調理器具
道具
- ホーローや木桶などの保存容器(今回の分量では、6Lくらいの容器)
- 大きめの鍋
- 大きめのボウル(ない場合は、大きなお鍋)
- ざる
- ポテトマッシャーまたは、フードプロセッサー
- 新聞紙、紐
- ラップやオーブンシートなど
自家製味噌材料
- 大豆(乾燥)1kg
- 米麹(生/乾燥どちらでも)1kg
- 塩(海塩などの天然塩)400g
※約10%の塩分濃度になります。 - 消毒用のアルコール(ホワイトリカー)適量
- 重石 できあがりの30%の重さ(1.2kg)
- 上記分量以外の塩 少量
- 「おまけ」種味噌 250g
(前年にご自分で仕込んだ味噌がある場合)
材料はこだわったものを選ぶなど、よい購入先を見つけていくのも楽しみです。また米麹は玄米麹にするなど、お好みで選んでください。
塩は、味噌を作るために必要不可欠なものです。腐敗菌を抑え、発酵・熟成によい環境を作り、また、しょっぱい味をつけたり、私たちの身体にミネラルを補給してくれたり非常に大切な存在です。
高価なものでなくてもよいので、天然の塩、良質なものを選ぶことをおすすめします。
自家製味噌の作り方・手順
仕込み前日の【下準備】
1.大豆を洗う
大豆は見た目以上に汚れています。流水でよく洗ってください。
大豆をこすり合わせるように、5,6回ほど洗い流します。
2.大豆をたっぷりの水に浸ける
洗った大豆を大きめのボウルに入れ、たっぷりの水に浸けます。
大豆1kgの場合、目安は3~4倍の量(3L強)の水に浸けましょう。
約ひと晩、18時間ほど浸けておきます。
3.浸水後、ざるにあげ水を切る
18時間経過したら(翌日)、ざるに上げ水気を切ります。
浸水後は、写真のようにぷっくらしています。
自家製味噌作り方【手順】
① 豆をやわらかく煮る
大きな鍋にざるにあげ水気を切った大豆と新しい水を入れ、火にかけます(水の量は大豆が浸かるくらい)。最初は強火にして一気に加熱します。吹きこぼれそうになってきたら弱火にしてコトコト煮ます。
途中あくをとり、お湯を足しながら、指先で潰せるくらいのやわらかさまで3~5時間ほど煮ます。
煮あがったかどうかの確認は、大豆を親指と小指ではさみ、グニャっと潰れたらオッケーです。数粒確認してみましょう。
このとき、とっても熱いので注意してください!
②ざるにあげ、よく水を切る
煮あがったら、豆をざるにあげ、水気を切ります。その後、消毒した大きめのボウルか鍋に移します。
煮汁は捨てないで取っておきます。
③豆を潰す
②の大豆が熱いうちにマッシャーでペースト状に潰します。
冷めると潰しにくくなるので素早く潰していきますが、熱いのでやけどに注意しましょう。
フードプロセッサーを使う場合は、何度かに分けてペースト状にします。フードプロセッサーが回転しにくいときは、大さじ1ほどの大豆を煮たときのお湯をいれて、攪拌するとよいです。
④麹と塩を混ぜる
きれいに手を洗い、大き目の清潔なボウルに分量の麹と塩を入れ、全体に混ざるようによく混ぜます。
このとき麹を潰さないよう、やさしく両手ですくいあげながらよく混ぜます。
⑤大豆と塩切り麹を混ぜる
③の潰した(ペースト状の)大豆がひと肌くらいの温度に冷めたら、④に入れ、混ぜます。このとき、麹を潰さないよう、全体的によく混ぜ合わせます。ここで種味噌(自宅で作った味噌がある場合)を少し入れてもいいです。
※種味噌は入れなくても問題ありません。
⑥容器に詰める
容器の底に薄く塩を敷きます。そこに⑤を入れてきます。
お団子状の味噌玉を作って、4~5個ずつ敷き詰め潰し、上から手の甲を使って押し、空気を抜きながら材料を敷き詰めていきます。
これを繰り返します。
※味噌は空気を嫌がる性質のため、味噌の中に空気が残らないように手で押し、敷き詰めていくのがポイントです。空気を抜くことでカビ発生を防ぎます。
⑦表面にふり塩をする
容器に材料すべて詰め終わったら、表面に塩を薄く振ります。そして、空気に触れないように、中蓋やラップ、オーブンシートなどで蓋をします。
写真は、エコラップを仕込んだ味噌の上に敷き、蓋をしています。
⑧重石をする
最後に、⑦に重石をのせます。重石の重さは重量の3割ほどのものになります。
味噌や漬物専用の重石を利用してもいいですし、ペットボトルに水を入れて蓋をし重石として使ってもよいです。写真は、未開封の塩を清潔なポリ袋に入れ、重石代わりに使っています。
※塩や砂糖は腐らないので重石として便利ですし、もしもの時に常備しておくというためにもおすすめです。
【重石をする理由】
重石をすることで、仕込んだ材料から水分が上がってきて塩水が蓋になり、空気に触れるのを防ぎ、カビ発生の心配もなくなります。
⑨蓋をする
重石をしたら、容器の中にほこりが入らないように蓋をするか、新聞紙などをかぶせて紐でしばり、直射日光の当たらない、涼しい場所に保管します。
また、必ず容器に仕込んだ日付を記入しましょう。
材料を変えていくつも味噌を仕込むという方は、材料名も書いておくといいです。
6か月~10か月ほど熟成したらおいしい自家製味噌の完成です。
おまけ:天地返しについて
天地返しはその名のとおり、味噌の表層部分と底の部分を入れ替えるということです。
味噌を別の容器に移し、ひっくり返していれます。
目安は仕込みから3か月たったころ。
天地返しをするメリットは、発酵がすすむことと、味噌が均一に育ちやすいためです。
私自身は、面倒なので天地返しはしませんが、それでもとってもおいしい味噌が育ちます。
実はとっても簡単な味噌作り!初心者だからと不安になる必要はありません
ここまでの手順、少し長いように感じますが、一度チャレンジしてみると実はとっても簡単な自家製味噌の仕込み。
味噌教室で大勢で作る楽しさとは違って、ひとりでもくもくと仕込む時間も格別です。
リラックスできて心が落ちつき、仕込み終わるころにはスッキリ爽快な気分になります。まさに瞑想のようです。
毎年仕込んでいてもはじめるまえは少し面倒に感じてしまう味噌作りですが、自家製味噌を作ることで私たちは、多くのことを知り、学び、感じることができます。
「本物」の味噌の味やおいしさを知りそれを子どもたちにも受け継ぐことができたり、季節を感じることができたり、手作りする喜びを味わうことができます。また、普段何気なく食べている食やその工程、生産者さんに興味を持つきっかけにもなり得ます。さらに、自分や家族の健康を気にかけ、これまで以上に自分やまわりの人たちを大切にするようになるかもしれません。
ぜひ、ご自宅で自家製味噌を仕込む喜びを味わい、楽しんでみてください。
皆さんのお味噌がおいしく育ちますように。
材料購入時の参考に
自家製味噌の材料をどこで購入すればいいのかわからないという方のために、私自身が実際に毎年購入している材料をご紹介します。
「塩」について
特に「塩」に関して、どの塩がいいのかわからないとご質問を受けることがよくあります。お塩といっても、お値段は安いものから高価なものまで。スーパーでもたくさんの種類を見かけますよね。まずは、ご自分が購入しやすい価格でご近所で買いやすいもの、そして「天然塩」を探してみましょう。
ちなみに、私のおすすめの塩はこちらです。
「大豆」や「麹」について
麹は、味噌用キットを購入すると、塩と麹がすでに混ざった状態で販売されていることもありますので購入時に注意しましょう。塩と麹が混ざったものは手間が省けてラクなのですが、材料にこだわりのある方は、塩と麹を別々に購入することをおすすめします。
私が毎年購入している味噌作りセットはこちらです。
『自分たちが食べたい商品をお客様に提供する』というコンセプトで安心安全の材料にこだわっているマルカワみそさんの手作り味噌セット。マルカワみそさんは、日本で唯一「自家採種の蔵付き麹菌」を使用している味噌屋さんです。
有機栽培 手作り味噌セット 中辛 (約6kg)玄米麹タイプ【マルカワみそ】
こちらは、味噌仕込み用のキットになっていて、塩と麹を混ぜる手順を省けます。すでに塩と麹が混ざった「塩きり麹」が大豆と一緒に届きます。
材料の塩の用意は必要ないため、分量外のふり塩や容器の底に敷くお塩のみを少量用意するだけです。
毎年何度か仕込む自家製味噌ですが、必ず一度はマルカワみそさんの材料を使って仕込んでいます。好みはありますが、私自身は玄米麹を使って仕込むお味噌が大好きです。
ぜひお試しください。