今なぜ、はちみつがブームなの?養蜂家目線で解説

世界的な「はちみつブーム」到来の理由

ここ2~3年新たな「はちみつブーム」がきています。 雑誌のおすすめの食べ物には必ずといっていいほどはちみつを目にしませんか。

おしゃれで素敵なハチミツ専門店が続々とできたり、美容にいいとまるで美容液のような容器に入ったはちみつも売られたりするようになりました。

はちみつの人気の理由を統計からみてみると農林水産省畜産局(令和4年11月)では、10年前の4万トンから、コロナ前まではずっと横ばいだった蜂蜜の国内消費量は5万トンに増加しています。

はちみつの販売がコロナ禍の2021年に急増していて、 特にニュージーランドからの輸入が増えていることから、スーパーフードとしても人気の「マヌカハニー」の消費量が顕著になっていると考えられます。

コロナ前までは輸入先は中国、カナダ、アルゼンチンが多く、これは今でも変わりはありません。

ほかにも、アメリカからの輸出がこの統計からなくなっていることも特筆すべき点と考えています。 アメリカ国内でもはちみつの需要が高まり、輸出を控え、アメリカ国内での需要に応えていることが考えられます。

それだけでは需要を満たせないということから、世界中からはちみつを寄せ集めて、パッキングされているという現状があるようです。そうなると、誰がどのようにして作ったはちみつなのかが不明になってしまうことも不安も生じます。

最近ではラベルに「このはちみつは1箇所で採蜜されたはちみつです」と書かれた表示を見かけるのは、その不安を打ち消す意図があり、その背景には、アメリカのはちみつの需要の高まりとアメリカ国内での生産量の不足ということが考えられるのです。

このように、昨今のはちみつブームは日本だけではなく、世界中で同じような動きなっています。

はちみつブームの理由は、「健康にいいイメージ」と用途の広さ!

古くからはちみつは健康にいいイメージがあり、はちみつの免疫に対する期待というものがこのブームの根底にあるということは、先ほどのデータの消費量の拡大からも読み取ることができます。

なるべく元気で、病気になりにくい体づくりや暮らし方をしていくため、普段からできるセルフケアとしてはちみつを生活の中に取り入れたいと思う人が増えたのも不思議ではありません。

というのもはちみつは、ビタミン、ミネラル、酵素など、実に150種類以上もの栄養素が含まれているすばらしい食品だからです。 そして、優れた糖が、最も吸収しやすい形であることから、エネルギー代謝を助けることがさまざまな好影響を及ぼす、ということも近年研究されています。

我が家では、家族も、私も、普段から朝晩にひと匙を口にしています。

例えば、朝はすぐに活動のエネルギーを取り入れ元気に動きはじめるため、そして夜は口内環境、良質な睡眠のためにはちみつを取り入れています。 日中も、疲れたときや、口に甘いものが欲しいときなどもちょこちょことはちみつを取り入れています。

はちみつのおかげで、我が家は風邪は鼻水止まりで、大抵滅多なことでは発熱もせずにすんでいるのかもしれません。

その他、はちみつは食品であるだけではなく、美容パックやスクラブなど美容にも使えるということも広まり、興味を持つ人が増えています。

おいしさ、だけでなく、健康から美容まで、その範囲の広さもはちみつの特徴、人気の要因となっているのでしょう。

養蜂家がみる「はちみつブーム」と「日本のはちみつの現状」

はちみつの国内消費量は、10年前の4万トンから2021年には5万トンに増加しているということは先ほども述べたとおりです。

はちみつの消費量が増えることはよいことなのですが、実は国内の自給率は6パーセント程度あったところから、5.5パーセントに減少傾向にあります。 また、日本経済新聞の記事によると、国内では不作といわれ、天候不順によってミツバチの活動量が低下していることが原因と述べられています。

そのほかにも、樹木の伐採や自然環境の減少による採蜜場所の減少、居住場所の減少、ダニや病気などによる弱体化、女王蜂の寿命が短命化、もちろん農薬の影響、などミツバチにとって苦難はあげれば切りがないほどです。

そして、消費量の増加に国内で応えられない結果として、当然輸入量が増えていることも挙げられます。 このことが国内養蜂家にとってさらなる打撃となっている状況があるのです。

残念ながらこのような状況において、また長く養蜂を生業とされてきた方や農業と一緒に養蜂されてきた方が、高齢により後継者のいないままやめてしまうという現状もあります。 はちみつが採れなくなってきてやめる方もいます。

また、近くで撒かれた農薬の大打撃を受けて、あまりの損害の大きさにショックで立ち直れずにやめてしまう人も少なからずいると聞いています。

農薬の規制や蜜源の確保はすぐにでも取り組んでいかなければ、取り返しのつかない問題になっていくということがもう何年も前から日本だけでなく、世界中でいわれていることです。

はちみつブームから一緒に考えてみませんか?

日本みつばちphoto AC

このように国内では生産量が減少する一方で需要が増え、輸入に頼らず、安心・安全で良質なはちみつを食べ続けるために、私たちに何ができるのでしょうか。

養蜂の難しいところは、ミツバチは巣から(2~5キロの範囲を)自由に飛びまわるので、どこで蜜を集めてきているのかわからないところにあります。 そして、自然の影響を大きく受けるため、異常気象や花の咲き具合、咲いた花の流蜜具合など、人間の思うように収穫ができないことも当然あります。

また普段の生活においても、ドラッグストアで簡単に買えてしまう劇薬が、小さなミツバチに及ぼす影響は計り知れません。

庭先で撒いた殺虫剤や除草剤は、風に舞い、雨と共に土に染み込み、川を流れて海に注ぎ込むのです。 その海の魚を私たちは食べることによって、知らずしらずのうちにそれらを口にしている可能性を想像できますか?

そしてその過程で、たくさんの生物や植物に影響を与えているのです。

ミツバチのいる風景、ミツバチの恩恵を受ける食事を続けていくために、私たちは今、大量生産・大量消費からのシフトを迫られています。

私たちがあたり前に食べているはちみつ。 1匹のミツバチが一生に作ることができるはちみつの量は最大でティースプーン1杯ほどということをご存じでしょうか? パンに毎日塗って食べて、それを賄うだけのはちみつがもう世界には十分にないとしたらどうでしょう。

ミツバチが一生懸命作る貴重なはちみつを、大切に感謝していただくことから始めてみる。

これは、私のような養蜂家だけの話ではなく、一消費者も、気づいた人から行動していくということだと思います。 そうすることで、私は未来が変えられると思っています。

今後もはちみつを食べ続けるためにも、私たちができることを一緒にやってみませんか?

私たちにできること

日本みつばちと菜の花photo AC

養蜂家でなくても、できることはたくさんあります。

例えば、花を植えたり、木を植えたり、むやみにミツバチを怖がらないで温かく見守り接してみる。

さらには、今ある自然に感謝をしてみる。 毎日はできなくても、はちみつを舐めるとき、思い出したとき、おいしいと一緒にありがとうと心の中で唱えてみる。

はちみつブームは決して一時的なものではありません。 古代から私たちにとってはちみつは身近なものでした。

この先も長く毎日はちみつを取り入れるために、今日をきっかけにひとりでも多くの人の関心がミツバチに集まることが私の希望です。

ミツバチのために花を増やすことは、人間にとっても幸せなことだと思いませんか。

『おいしいといただくだけでなく、ミツバチの暮らす環境にも心を寄せてみる』
そうやってミツバチに想いを寄せる人が増えて欲しいと願っています。

 

 

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参考資料:
「我が国の養蜂をめぐる情勢」国立国会図書館長さと情報NO.1185(2022.3.28). https://dl.ndl.go.jp/view/download/digidepo_12198739_po_1185.pdf?contentNo=1 . (2023.2.11最終閲覧)
「養蜂をめぐる情勢」令和4年11月農林水産省畜産局. https://www.maff.go.jp/j/chikusan/kikaku/lin/sonota/attach/pdf/bee-46.pdf.  (2023.2.11最終閲覧)
平成30年11月農林水産省畜産局. https://www.maff.go.jp/j/kokusai/tag/attach/pdf/index-10.pdf. 2023.2.11最終閲覧
「はちみつ不作、2割高、異常気象で8の活動鈍く」財務省貿易統計によると2021年通年の価格より1割高い433円1/1kg 1^5月平均輸入価格. https://www.nikkei.com/article/DGKKZO62379980W2A700C2QM8000/ . (2023.2.11最終閲覧)

 

文=beehappy (Eat Act Tokyo主催 ハチミツ・ナチュラルセラピーオンライン講座受講)

 

beehappy

子育て真っ最中、高校で非常勤講師を続けながら、今ある自然を最大限に魅力として引き出せるみつばちを幸せにする養蜂家として活動中。

みつばちに出会い、人生が変わった私は、70種類のはちみつのストックを持つはちみつラバーでもあります。みつばちにハマっています!

ミツバチがいなくなったら、人間は4年も持たないということを知ってしまい、17年勤めた高校教員を辞め、家族を置いて、清里へ養蜂の修行に2年行きました。

屋上で養蜂がやりたい方、
SDGsになる何かネタが欲しいという方がいましたらお役に立てます!

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