「春の温活」で健康美人!アーユルヴェーダで整えよう

毎年4月頃になると日中は暖かく過ごしやすい日が増えてきます。 といっても春はまだ、朝晩の寒暖差を感じる日もあり、体が冷えることも…そんなとき、あなたは体をケアし、温めていますか?

できるだけ冷やさないように意識していても、湯船に浸かると思っていたより体が冷えていること感じることがあると思います。 また、気温が上がってくるこれからの季節でも、冷えていると感じることがときどきありませんか?

「温活」という言葉が日常に浸透し、今では多くの方が「体を温めること」に意識を向けていますが、 「冷え」は冬だけではない今、一年を通じて体を温めることが必要です。

なぜ温活が必要なのか?

冷え対策

では、なぜ「温活」が必要なのでしょうか?

  • 体温の高い状態を維持したい
  • 健康な体を手に入れたい
  • 不調がなくいつでも元気に過ごしたい
  • 巡りのよい体でいたい

きっと、そんな答えが出てくるかもしれません。

「冷えは万病のもと」と古来からいわれていますが、西洋医学では「冷え」は、『冷え性』と書き、病気ではなく「冷えに過敏な性質」とされている一方で、東洋医学では「冷え」は、万病のもととなる『未病』と捉えられており、「冷え症」と表記されています(石川友章.万病に潜む冷えの治し方(第7回日本臨床漢方医会 漢方家庭医講習会). 日本臨床漢方医会. (2023-04-09)

現代は気温が下がる冬だけでなく、夏の時期もエアコン等で体が冷えやすくなるため、一年を通して体を冷やさない工夫が必要です。
文明の進化により暮らしが便利・快適になった一方で、運動不足や不規則な生活が冷えを招く要因にもなっています。 本来の季節感から外れた生活は、「暑ければ体温を逃し、寒ければ熱を作り出す」という人間が本来持つ体温調節機能を鈍らせてしまっているのです。

このようなことからも、今は季節に関係なく「自分の健康は自分で管理し、守り、維持する時代」といえます。

体温が1度下がると免疫も下がる

温活が必要といわれる理由として「体温が1℃下がると免疫も下がる」ということがあげられます。 低体温であることで、血流が滞るので体の不調も招きやすくなります。

一般的に、低体温とは体温が36.0℃未満の状態を指します。 免疫機能が適切に働くのは37.0℃前後であるため、低体温が続くと免疫力が低下する可能性があります。さらには、

免疫細胞が正常に働ける体温は36.5℃。 そこから体温が1℃上がると最大5~6倍も免疫力が上がり、逆に1℃下がると免疫力が30%下がるといわれています(健康な体温って一体何℃?免疫とも関係が深い体温について詳しく解説!. やさしいLPS. 2021-04-27.(2023-04))。

より元気に快活に毎日を過ごすため、そして自然治癒力を高め健康を維持していくために、温活はその第一歩だといえるのではないでしょうか。

では、体を温めるために実際にどのようなことをおこなったらいいのか、東洋の伝承医学の1つであるアーユルヴェーダを参考にした温活法をご紹介したいと思います。

アーユルヴェーダ的温活

1.アーユルヴェーダ的温活「白湯健康法」

東洋医学の1つアーユルヴェーダでは、体を温めるためには、朝一番に白湯を飲むのがおすすめとされています。 アーユルヴェーダでは白湯は完全にバランスが取れた飲み物とされていて、その理由は、アーユルヴェーダでいう自然のエネルギー(生命エネルギー)が全て入った飲み物だからです。

ディナチャリヤと呼ばれるアーユルヴェーダ的理想の1日の過ごし方では、まず寝起き一番に舌苔のケアをおこない口の中をきれいにします。 そのあとに白湯を飲むのがよいとされ、寝起きに飲む白湯(朝一番の白湯)は、排泄を促したり、消化の力を高めたりするとされています。 さらに白湯には、体に溜まった未消化物(アーマ)を体外に排出するのを促してくれる効果があるとされています。

冷たいのみものやお茶などを白湯に代えただけで、お腹の調子がよくなった人、食事がよりおいしく感じられるようになったなどの例もあるようです(体感は個人差があります)。

白湯の温度の目安は、「そのときにおいしいと感じる温度(湯冷ましから50℃程度まで)」がおすすめです。
体によいからといって飲みすぎるのではなく、その都度、体調を考慮して摂りましょう。

白湯の作り方は、こちらのページで詳しくご紹介しています。

このように、アーユルヴェーダでは白湯は単なる冷めたお湯ではありません。 白湯は、体を温め、毒素を溜めない体づくりに最適な飲み物とされています。 日ごろから毒素を溜めないようケアをしていくことが大切です。

2.アーユルヴェーダ的温活「ヨガ(太陽礼拝)」

アーユルヴェーダ的温活には、太陽礼拝をおこなうのもおすすめです。 太陽礼拝とは、サンスクリット語で「スーリヤ・ナマスカーラ」といい、呼吸に合わせて12ほどのポーズをとっていきます。 息を吸いながら1動作、息を吐きながら1動作と、呼吸を感じながらおこなう全身運動です。

温活に太陽礼拝がよい理由は、低体温の多くの原因は筋肉量の低下ともされているからです。 適度な運動で基礎代謝を上げること、筋肉量を増やしていくことが大切です。

ヨガは一定のリズムで呼吸を続けながら体を動かしていきますので、無理しすぎず筋肉量を増やすこともでき、また呼吸も意識することができるので流れのよい体づくりに最適です。 心地よい呼吸とともに、全身に新鮮な空気を取り入れ、生まれ変わるイメージでおこなう太陽礼拝は格別です。

3.アーユルヴェーダ的温活「季節に合わせた過ごし方」

アーユルヴェーダには季節に応じた過ごし方「リトゥチャリヤ」というものがあります。 季節に合わせた生活をすることで、人が本来持っている免疫力を高め、健やかに過ごす健康法のことです。

アーユルヴェーダでは1年を6つに分けて考え、それぞれに適した過ごし方があります。 それぞれの季節のリズムに寄り添った過ごし方をすることで、その季節を快適に過ごし、次の季節へ向けての心身作りをおこなっていくというものです。

リトゥチャリヤの中から今回は、「春」におすすめのアーユルヴェーダ的季節の過ごし方をご紹介します。

アーユルヴェーダ的その「春」のリズムに添った過ごし方

1・2月の厳しい冬の時期を終え、3〜4月の頃になると気温が上がる日も増え、暖かい春の陽気に誘われて外に出かけたくなる季節がやってきます。

アーユルヴェーダでは、冬は気温が下がり、活動量が減るため、どうしてもアーマ(毒素・未消化物)が体内に溜まりやすくなる時期。
冬に蓄積された冷たく、重い、水と土からなる「カパ」のエネルギーが暖かくなるにつれて、鼻水、くしゃみ、目やに、花粉症等の症状や、気管支疾患、喘息、むくみや太りやすさとなって症状が出てきやすいとされています。

このようにアーユルヴェーダでは春は、カパのエネルギーが高まりやすい季節です。
カパのエネルギーは、「重・油・遅・冷・安定」という性質があります。 症状が重いときには、「軽・乾・速・温」と反対の性質のエネルギーを取り入れることでバランスを整えます。

この時期の過ごし方としては

  • 昼寝をしないこと
  • 日中の活動量を上げ、よく動くこと
  • 体を温めること
  • 食べ過ぎないこと
  • 発汗を意識すること

が大切です。
要約すると、太陽が出ている時間帯はよく動く、腹八分目にする、運動する、昼寝せず早く休む、ということともいえます。

上記は、アーユルヴェーダ的春の過ごし方の例なのですが、「温活」にもぴったりだと思いませんか?

アーユルヴェーダ春の季節のアドバイスについては、こちらのコラムもぜひご覧になってください!

そのほか、春におすすめのアーユルヴェーダ的温活としてスパイスを取り入れるのもおすすめです。

温活では体を温めることが大切なので、冷たい飲み物はできるだけ控えます。 また、コーヒーや緑茶等、カフェインが多く含まれるものよりも、チャイやハーブティーを選択するのが理想的です。 スリランカでは風邪のときに飲むとされているサマハンティーや、日本でお馴染みの生姜湯も、冬に引き続き春にもおすすめです。

サマハンティーは、誰でも気軽にアーユルヴェーダを取り入れてほしいと製造・販売されており、14種類のスパイスやハーブがブレンドされているスパイスティーです。 アーユルヴェーダ的には、冬だけではなくカパのエネルギーが高まる今の時期こそ取り入れてほしい飲み物の1つです。

4.アーユルヴェーダ的温活「色の力を借りる」

手っ取り早く体温を上げたい、そんなときは色の力を借りて、視覚から取り入れることもおすすめです。

コロナ禍で約3年近くマスク生活をしてきたわけですが、この春からマスク着用が個人の判断に委ねられるようになりました。 筆者の場合、マスクのない顔にちょっとだけ気恥ずかしさもありながら、自分のテンションを上げるためにチークを新調。 ここ数年、マスクで隠れることを理由にチークを入れることはほぼなかったのですが、チークを入れると顔の血色感が上がり、幸せそうな雰囲気を纏うことができました。 まさに色の持つ力を感じた瞬間でした。

自分がいい気分でいると、自然と笑う機会も増えます。 日常に笑いがあったり、バラエティ番組などを見て爆笑する機会があると、必然的に腹式呼吸になり、体温も高まります。 腹式呼吸も、代謝をあげるために大事なキーワードです。

5.そのほか春におすすめの温活法

朝晩の寒暖差がある今の季節、就寝時には湯たんぽを使い、温かくして休むのもおすすめです。 お子さんがいらっしゃる方は、比較的体温が高い子どもにくっついて眠るのもいいですね。 体が温まると寝つきもよくなり、睡眠の質もぐっと上がりますし、肌が触れ合うというのは互いに安心感を得られて、眠りも深くなります。

また、冷え取り健康法でも提唱している、上半身より下半身に重ね着をするファッションを取り入れることもおすすめです。 特に外出時は、上手にストールやレッグウォーマー等を活用し、「首」「手首」「足首」をできるだけ冷やさないコーディネートを取り入れてみるのもよいですね。

体を整える「温活」まとめ

温活とは、体を温めることによって基礎体温を上げ、身体の不調を改善することをいいます。 外側だけでなく、内側からのケアも、巡り・流れのよい体を手に入れることを後押ししてくれます。

冷やさない工夫には温かいものを飲む・いただくだけではなく、きれいな色をまとう、のせる、笑うというのもすぐにできることとしておすすめです。 また、「いい気分」でいることを意識することも温活といえます。

「健康は1日にしてならず」
体内に取り入れるもの(外からのケア)はもちろんのこと、視覚から入ってくるもの(内側のケア)等、五感を存分にフル活用して、巡りのよい体を手に入れていきたいですね。

生命の息吹を感じる、この季節ならではの楽しみを満喫しながら、今日も暖かくしてお過ごしください。

 

画像=Canva
参考文献:

石川友章.万病に潜む冷えの治し方(第7回日本臨床漢方医会 漢方家庭医講習会). 日本臨床漢方医会. (2023-04-09)
・Eat Act Tokyo主催AYUWEDA式アーユルヴェーダ基礎講座
健康な体温って一体何℃?免疫とも関係が深い体温について詳しく解説!. やさしいLPS. 2021-04-27.(2023-04)
・上馬場和夫・西川眞知子 著. 新版 インドの生命科学アーユルヴェーダ

 

文=mariko.(Eat Act Tokyo主催 AYUWEDA式アーユルヴェーダオンライン講座受講)

 

 

mariko.

フリーランスとして活動中, 一児の母
食・健康・美容・海外・子育て・アーユルヴェーダ・アロマ・ヨガ・エネルギーワーク・資産形成等、興味ある分野は幅広く、マイペースに学んでいます。 より自由を求めて泳ぐ魚座。

▶Eat Act Tokyo主催 アーユルヴェーダオンライン基礎講座受講・修了

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