変化の春は、心落ち着く呼吸とヨガで整えよう

春は出会いと別れの季節。 生活環境や人間関係がガラッと変化する時期。そのため、心も体も疲れやすい人も多いかもしれません。

もしあなたがこの時期に環境の変化についていけず、なかなか気持ちを切り替えることができなかったり、イライラしやすくなったり、知らない間に疲れていたら、気持ちを落ち着かせリラックスし心身の調子を整えることが大切です。 そのために有効なのが「呼吸」と「ヨガ」です。

今回は、今日からすぐできる呼吸法とヨガをお伝えします。

春は呼吸も心も乱れやすい

季節も環境も移ろうこの季節は、自分では「大丈夫!」と感じていても、知らないうちに心がソワソワ。 心も体ももどっと疲れてしまうなんてことないでしょうか?

身の回りの環境や人間関係が変わると、緊張して呼吸が浅くなったり、乱れやすくなったり、すると心も体も不安定な状態につながりやすくなってしまいます。 呼吸と心は連動しているので、不安定な気持ちだと呼吸が浅くなりますし、リラックスしていると呼吸は穏やかになります。

ではどうしたらいいかというと、「意識的に呼吸をすること」で感情のコントロールもできるようになるんです。 呼吸に意識を向けることは、過去や未来からくる不安に怯えることなく「今、この瞬間」に意識を向ける練習にもなります。 さらには、自分自身を大切にする時間を持つことにもつながり、心を落ち着かせることができます。

このように、変化の多い時期こそ、呼吸に意識を向けたり、リラックスしたり、自分を労わる時間をつくりましょう。

ですが、「呼吸に意識を向ける」ということがどういうことなのかわからない、という人もいらっしゃると思いますので、まずは気楽に練習をおこなってみたいと思います。

「『呼吸』に意識を向ける」ってどういうこと?

深呼吸

日常生活では、呼吸に意識を向けなくても、無意識に呼吸ができていますよね。 ですがここでは、意識して呼吸をおこなってみます。

「呼吸」はまず、吐くことからスタートします。 一度、「はぁ〜」と大きくため息のように吐きます。

吸おうと意気込まなくても、人は勝手に酸素を吸う仕組みになっているので自然と息を吸うことができます。 反対に、「吐く」ことは意識しないとなかなかうまくできません。ここでゆっくり、深く、息を吐いてみましょう。 すると、新しい空気が肺に入ってきて、呼吸がスムーズになります。

息を吸うことも、吐くことも生きる上でとても大切なことです。吸う息と吐く息のバランスが上手に取れていることで心の安定につながります。

「吸う」ことは交感神経と関係があり、生き生きと元気に過ごすパワーが得られますが、落ち着きがなければ常に元気な状態が続き、空回りすることになります。 そこで大切なのが「吐く」ことです。

吐く息ではリラックスや落ち着きと関わりがある副交感神経に働きかけます。 丁寧に吐くことで体に安心感や落ち着き、安定感を取り戻すことができます。

いつも丁寧に呼吸をしている人は少ないかもしれませんが、1日ほんの1分でもよいといわれれば、「呼吸を意識する」ってできそうな気がしませんか?

日常の中では日々、いろんな感情が生まれます。 嬉しいことばかりではなく不安や悲しいことも起こります。 すると、背中がどんどん丸まり、肩が前に出てきて、胸が閉まり呼吸が入ってきづらくなります。 呼吸がうまく入ってこないと、体はしんどくなり、心も疲れてしまいます。 新しい環境下ではなおさらです。

そこで今回は、簡単にできる呼吸法をご紹介したいと思います。

すぐできる!心と体が落ち着く呼吸法

では早速、一緒にやってみましょう。

  1. まず「はぁ〜」というため息と共に、息を吐き出します
  2. 両鼻からゆっくり吸って、息を吐く時に口から吐きます
  3. もう一度ゆっくり鼻から吸って、吐く息では、「はぁ〜」と声を出しながら息を吐き出します
  4. これを繰り返します

少し大袈裟に「はあ〜」と声を出すことが、ポイントです。 これを1分ほど繰り返しましょう。
「大きく吸わなきゃ」とか「吐く息が短いなぁ・・・」と思う必要はありません。 今の呼吸を観察しましょう。

「ため息」は病気を予防してくれる

このように、吐くときにため息のように吐くことで、次に吸う息は少しだけ新鮮な空気を吸っているように感じませんか。

ひと昔前までは、ため息はついたらいけないといわれていましたが、今ではため息をつく人は、鬱になりにくい、病気になりにくいといわれるようになり、ポジティブに捉えられています。 溜め込みすぎて辛くなる「負の感情」を心に留めたままではいけない、という流れになってきたんですね。 心や体に溜め込んでいた悲しみ、イライラや不安、嫌なことを体の外へ出す勢いで、呼吸と共に思い切り吐き出していきましょう。 そうすると、自然と心が軽やかになっていくのを感じると思います。

呼吸は筋肉にも影響を与える

呼吸は、心だけではなく、全ての筋肉にも影響を与えています。 姿勢を保つために常に頑張り続けている背中もその一つです。

背中にある筋肉のハリやコリを、呼吸を通して体の内側からマッサージし、刺激していくことで、筋肉の緊張がほぐれ、普段の呼吸も穏やかになり、緊張や心のざわざわをリセットしてくれるのに役立ちます。

ここからは、呼吸と一緒に筋肉もほぐし、体もリラックスできるヨガのポーズをご紹介したいと思います。

心と体が落ち着くヨガ

チャイルドのポーズ

先ほどおこなった呼吸法と共に試していただきたいヨガのポーズが「チャイルドポーズ」、背中の緊張を緩めて、リラックスできるポーズです。

チャイルドポーズ1のやり方

  1. 正座で座り、上体を前に倒し、額を床につけます
  2. 肘を床から浮かせるように、腕をまっすぐに伸ばします
  3. 呼吸を繰り返します

チャイルドポーズは、おでこが床につくことで安心感を得ることができるポーズです。

何か失敗してしまったときに「あちゃ〜」とおでこに手を置く仕草をしたことはありませんか? おでこに手が触れる仕草は、焦っている自身を落ち着かせるための仕草だといわれています。

おでこが床につくポーズを取ることで、おでこに手が触れるのと同様に自然と安心感を得ることができます。 いろいろなことを考えて、思考が止まらなくなったり、不安や心配事があるときは、体を丸めて地面のほうに体を向けることで、落ち着きます。

チャイルドのポーズ1

筆者 juneによるチャイルドのポーズ1

 

反対に、仰向けで寝るポーズ「シャヴァーサナ」は、目を瞑っていても瞼に入ってくる光で不安を感じてしまったり、開放感がありすぎて恐れを感じたりすることもあります。 シャヴァアーサナには、リラックス効果があるとされていますが、その日のご自身の状態に合わせて、仰向けかうつ伏せのどちらがいいか、どちらがより心地よく感じるのか、を観察してみてください。

ポーズをとるときのポイント!

  • タオルやクッションを敷く
    床を向いている状態でおでこに違和感がある場合はタオルやクッションを敷いてもかまいません。
  • 膝を開く
    おでこが床につかない場合やお腹が圧迫されるようなら、膝を少し開きましょう。 それでも不安定なときは、両手をグーの状態にして高さを作り、その上におでこを置くようにしましょう。
  • 大きくゆっくり息を吸って「はあ~」と大きく吐く
    大きく息をゆっくり吸って先ほどのように「は〜」と大きく息を吐きます。 3回繰り返したら、自然な呼吸に戻り、静かな時間を楽しみます。
  • もう一度、胸に集中して胸で大きくゆっくりと息を吸って今度は、ゆっくりと吐く
  • 繰り返す
    これを3回繰り返しましょう。

最後に吐ききったら、自然な呼吸を続けます。 お腹が膨れる感じや、背中が広がる感覚を楽しみます。

チャイルドポーズ2のやり方

次に、肘を床に下ろすポーズをおこないます。

チャイルドのポーズ2

筆者juneによるチャイルドのポーズ2

 

  1. 肘を床に下ろす
    先ほどと同じポーズに見えますが、違いは肘を床に置くか、伸ばすかです。
  2. 呼吸に意識してみる
    ゆっくり呼吸をおこなうことで、空気が入る場所が先ほどのチャイルドポーズと少し違うことに気づくかもしれません。
  3. 体の変化を観察する
  4. 最後に、腕を後ろに置く
チャイルドのポーズ3

筆者 juneによるチャイルドのポーズ3

 

チャイルドポーズは背中の緊張をほぐしてくれるポーズです。 筋肉がほぐれると呼吸もしやすくなります。

腕の位置によって、呼吸をしたときの背中の伸び具合、呼吸の入り、膨らみ具合が少し違うことを感じていただけたでしょうか。 はじめのうちは効果がわかりづらいかもしれませんが、引き続き呼吸を意識し、観察していくことでちょっとした変化を楽しめるようになります。

手の置く位置を変えながら続けてチャイルドポーズをおこなっても構いませんし、「今日は手を後ろにしたチャイルドポーズをしてみよう」とその日によってポーズを変えておこなうのも構いません。

 

ほんの少しの時間でいいんです。 朝に起きたときや、夜に寝る直前など、布団やカーペットの上などでポーズをおこないながら呼吸に意識を向けてみてください。 続けていくことで、呼吸をするために使う筋肉がほぐれ、段々と呼吸がしやすくなります。 また呼吸に意識しはじめると、心がソワソワして落ち着かない自分に直面したときに、呼吸の浅さに気づきやすくなってくるでしょう。

ただ無意識に息をするのではなく、1日に1回、数分でいいので呼吸に意識を持つ時間をつくる。 すると、呼吸の質が変わってきます。 そしてそれによって感情の波が穏やかになり、心が落ち着きます。

今回は呼吸に意識を向けることと、簡単にできるヨガのポーズをご紹介しましたが、時間がないときはヨガはおこなわず、呼吸だけでも十分です。 呼吸とヨガで穏やかな生活が送れるよう心から願っています。

 

 

文= june(Eat Act Tokyo主催 AYUWEDA式アーユルヴェーダオンライン講座受講者様)

 

 

Eat Act Tokyo編集部

Eat Act Tokyo 編集部 I つくる喜び、たべる楽しさ『自然にそった食べ方、暮らし方』をテーマに季節の食材を使ったレシピや心地よい食べ方を発信。私たちにも、地球にも、やさしい食べ方や暮らし方をご紹介しています。

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