2024年元旦の能登半島地震の被害に遭われた皆さまに心よりお見舞い申し上げます。
そして、地震や航空機事故で亡くなられた方々へ、ご冥福をお祈りいたします。
このニュースを見たとき多くの人が不安・心配でいっぱいになり、またさまざまな感情が湧き上がってきたと思います。
私も東日本大震災のときが頭をよぎり、辛く悲しい気持ちで胸が張り裂けそうになりました。
一方で迅速に、現地で救助活動をされている方々、被災者の方への生活援助や復興等の災害支援をされている方々には頭が下がる思いです。
どうぞご自身の身の安全を守りながら活動していただけたらと思います。
今回のような自然災害があると、被災された方々だけではなく、知らずしらずのうちに多くの人が悲しみや苦しみ、不安や怒りなどのさまざまな感情を抱えてしまいます。
また、メディアやSNSで日々多くの情報に触れ、心無い発信や現地の大変な状況を目にし、大きなストレスを感じてしまう方も多いかもしれません。
メディアやSNSと距離を置くのも1つの方法ですが、こういうときこそ、『自分で自分をケアする力』が大事だと感じます。 同時に、どういう方法がより自分に効果的か、を知っておくことも大切です。
自分自身で心にある不安やストレスをやわらげ、体と心のバランスを調えてくれる方法を知っていたら、どんなときでも心強いんじゃないかなと思います。
そこで今回は、『不安や心配をやわらげ、心を調えてくれるセルフケア』を3つご紹介したいと思います。
何か用意するものもなく、お金もかからず、どこでも、誰でもできる簡単セルフケアです。
体質なども関係なく、どなたにでもおすすめできる方法なのでやってみてください。
1.深呼吸
人は緊張状態のときやストレスを感じているとき、自然と体が硬くなり呼吸が浅くなってしまいます。
ですので、こういうときこそ意識して、ゆっくりと深い呼吸をしましょう。
何度か深い呼吸を繰り返すと、自然と心が落ち着いたり、リラックスするのを感じると思います。
アーユルヴェーダやヨガにも呼吸法がありますが、ここではあまり難しく考えなくても大丈夫です。
浅くなっている呼吸を整えるように、ゆっくりと深い呼吸を意識します。
呼吸は心を調えるだけでなく、体にもいい影響があります。
全身のめぐりもよくなったり、免疫力も高まります。
どんなときでも元気でいられるように、シンプルですが体も心も調う方法としてとっても効果的です。
2.脳科学でも実証されている『不安』を吐き出す効果
不安や心配事があるときは、「それを吐き出すこと」「誰かに話すこと」が効果的だと最新の脳科学でも実証されています。
不安などのネガティブに思える感情は、脳の扁桃体の過剰な反応により起こると言われていますが、感情を言語化することで扁桃体の活性を抑えられるんだそうです(※扁桃体の活性を抑える方法はほかにもいくつもあります)。
ですので、不安や心配事があるときは、ひとりで抱え込むのではなく、親しい人、心を許せる周りの人に今の気持ちを聞いてもらうといいですね。
もしあなたが聞き手の場合は、アドバイスなどは不要です。 「ただ聞いてあげる」「寄り添ってあげる」だけでいいんです。
ひとり暮らしの人や周りに言いづらい人は、ノートに書き出したり、ひとり口に出して言ってみるのもいいと思います。
そうやって、自分の気持ちに寄り添ってあげてください。
3.触れる力でポジティブに変わる『腕マッサージ』
3つ目は腕マッサージです。やり方は、
- 肩から手の甲までを5秒数えながらゆっくりと撫でる
- 撫でる手は毛の流れに従って、上から下に撫でる
撫でる手は強すぎない、適度な圧をかけながらおこないます。
これを3分間ほどおこないます。
このマッサージは、「幸せホルモン」と「皮膚」の関係を探求しているタッチング研究の第一人者 山口創(やまぐちはじめ)先生が紹介されている方法。
先生のご著書には、『皮膚は心を持っていた』『子どもの脳は肌にある』などがあります。
見出しに合った『触れる力でポジティブに変わる』という言葉も先生のご著書の帯に書かれている言葉です。
この腕マッサージは、ストレスを感じているとき・体が緊張状態にあるときに、自律神経の副交感神経を刺激しバランスを取り戻すためにおこなうといい方法です。
私たちの体や心は、皮膚からの強い刺激よりも軽い刺激のほうが大きな影響を与えるんだそうです。 そのため強すぎない適度な圧でマッサージするとよいんだそう。
例えば、赤ちゃんをあやす時などを思い出してみるとわかりやすいかなと思います。
Eat Act Tokyoでもご紹介しているアーユルヴェーダでは、ストレス緩和や心身の健康を保つ方法の1つとしてオイルマッサージがありますが、オイルを塗って腕マッサージをすると、よりリラックス効果も高まりますのでぜひやってみてください。
一人ひとり状況は違うから、まずはあなたが元気でいること
私たちは、大きな自然災害には到底、太刀打ちできません。 ですが日ごろから備えたり、ケアすることは一人ひとりできます。
何か大きなこと・直接的な手助けはできなくても、悲しみや怒り・不安を長く抱えるのではなくまずは、一人ひとりが体と心の健やかさを保つことが大切です。
誰かのために動けることは本当に素晴らしいことですが、それぞれ状況も違いますから、自分を置き去りにしないでまずは私たち自身が元気で笑顔であることが、自分のためにも、周りのためにも大事なんじゃないかなと思います。
そして、それぞれが目の前で無理しすぎずにできることをやっていけるといいですね。
最後に、能登地方や北陸地方の皆さまはこの寒さ厳しい中、避難所やご自宅でご不便や不安を感じながらお過ごしだと思います。
まずは、皆さまの身の安全とあたたかく過ごせる場所の確保を最優先していただきたく思います。
1日も早く通常の生活が戻りますよう、そしてこれ以上被害が大きくなりませんように祈っています。
参考文献:
ベスリクリニック, 『心療内科の治療で重要な「扁桃体」とは?』
山口創著, 『体の無意識の治癒力』