今回は、自然にそった暮らし、七十二候の第十五候「虹始見」について。
虹始見は、「にじはじめてあらわる」と読みます。
七十二候は清明の次候「鴻雁北」から末候「虹始見」へ移りました。
いまの4月14日~18日ころになります。
七十二候は、自然に寄り添う暮らし方の知恵を紹介してくれています。
そのなかでも、EATでは旬の食材についてご紹介しています。自然にそった食べ方の参考にしていただけると嬉しいです。
二十四節気「清明(せいめい)」
すべてのものが、清らかに明るく美しく。生き生きとするころです。さまざまな花が咲き、鳥がさえずる季節です。
七十二候「虹始見(こうがんかえる)」
新暦で4月14日~18日ころ。
虹始見とは、冬には乾燥して見られなかった虹が、春になり湿度があがって日の光も強まり、雨の後に虹がかかるようになるころのことです。
第五十八候、小雪の初候「虹蔵不見(にじかくれてみえず)」と対になっています。
虹にはさまざまな種類があります。
ダブルレインボーともいわれる2本かかっている虹の、はっきりと見える内側の虹は主虹(しゅにじ)、外側の虹を副虹(ふくにじ)といいます。また、太陽の光が霧に反射して見える虹が白虹(しろにじ)、月の光の中で見られる虹を月虹(つきにじ)といいます。
旬の食材「みつば」
みつばの旬は3~4月です。
みつばは、セリ科の多年草で日本の山地に昔から自生しており、野草を摘んで食べられていました。栽培をはじめたのは江戸時代ころからといわれています。
水耕栽培によって育てられているものが「糸みつば」といわれ、スポンジ状の床付きでスーパーなどで売られているのがこれです。
糸みつばに比べ茎が白くて太く、根がしっかりとして、軟白栽培のものが「根みつば」です。
軟化栽培で、茎が白く根元で切られ、茎から上の部分を束ねて出荷されているのが「切りみつば」です。
みつばには、ナトリウム(塩分)排泄に必要なカリウムを多く含んでいます。また、動脈硬化の予防によいといわれているβ-カロテンも豊富です。ビタミンCやカルシウムも含まれています。
みつばの選び方:
葉が濃い緑色のもの、シャキッとしているものを選びましょう。
旬の食材は栄養価も高く、一番おいしいとき!
皆さんはみつばで何を作りますか?
「身土不二」暮らす土地の旬の食材をたくさんいただきたいですね!!
【七十二候とは】 日本には、一年を4つに分けた「春夏秋冬」のほかに、一年を24等分し季節を表す「二十四節気」、さらに細かく一年を72等分した「七十二候」という暦があります。 七十二候は、四季折々のできごとをそのまま名前にしていて、5日ごとに新しい季節に移ります。 日本人は昔から、七十二候を田植えや稲刈りなど農耕の目安にし、節分やお彼岸、土用など季節の節目を知る暦として使っています。今では私たちの暮らしの中に溶け込み、馴染み深いものも少なくありません。また、七十二候では、植物や生き物たち、旬の食材などが紹介され、こまやかな季節の移ろいを感じるとることができます。 気候変動によって気候の変化も大きい現代には、少しずれているところもあるかもしれませんが、自然に寄り添う暮らしを思い出させてくれる知恵がいっぱいつまっています。 |
参考:白井明大・有賀一広(2020)『日本の七十二候を楽しむー旧暦のある暮らしー』角川書店.