「布ナプキン(以下、「布ナプ」という)」と聞いてみなさんはどのようなイメージがありますか?
以前は、「何それ?」という方がとても多かったですが、最近では「フェミニンケア・フェムケア*」という言葉も出てきて、布ナプのことを知る方も興味を持つ方も増えてきました。
最近では、布ナプが生理時に使用するナプキンとして認識され、「使ってみたい」「使ったことがある」という方も多いと思います。
ですが一方で、「興味はあるけれど布ナプは漏れないか心配」「洗濯が面倒??」という方もいらっしゃいます。
今回は布ナプ愛用歴14年の私が、布ナプの悩みを解決!
布ナプのはじめ方から布ナプの種類や使い方、布ナプにしてよかったことをまとめてご紹介したいと思います。
*「フェミニンケア、フェムケア」とは、女性のデリケートゾーンのケアのことをいいます。
海外では既に多くの女性に知られているケアです。具体的には、
◎デリケートゾーン専用ソープで洗う
◎デリケートゾーンを保湿する
◎トイレに行った後は専用スプレーでケアする
◎肌に優しいショーツをつける
など。
目次
布ナプキンって?
「布ナプキン(布ナプ)」とは、布で作られた女性の生理時に使用する布で作られたナプキンのことです。
布ナプは、一般によく知られている使い捨ての生理用ナプキンとは違い、オーガニックコットンやシルク、麻、竹布(竹の繊維から作られた布)など、天然素材で作られているものが多く、洗って繰り返し使うことができます。 天然素材で作られているため肌触りがとてもよいのが特徴です。
布だけで本当に吸収できるのか、漏れないのか心配、お洗濯が面倒そう、などネガティブなイメージを持たれることも多い布ナプですが、愛用者には、「布ナプ最高!」「生理がくるのが楽しみになった!」「手足が冷えなくなった」という方もいらっしゃいます。
また、布ナプを使用するようになると自分の体の状態を知ることにもつながります。 食べたものやライフスタイルによって経血の状態も変化するので、食事やライフスタイルの改善にも役立ちます。
布ナプの他にも生理用品には、
・月経カップ
・月経ディスク
・吸水ショーツ
・使い捨てナプキン
・タンポン
など、さまざまな種類が実はあります。
布ナプで生理痛が軽減?!
布ナプを使用してみて、こんな感想をお持ちの方がいらっしゃいます。
- 冷えがなくなった
- 生理痛がなくなった
- PMS(月経前症候群)が軽減された、なくなった
- ムレやかぶれがなくなった
- ごみが出ない、捨てる手間もなくなった
- 使い捨てナプキン特有の嫌な臭いがなくなった
- 食事や適度な運動をするなど、ライフスタイルを見直すことができた
- 自分を大切にできるようになった
- 毎月生理がくるのが楽しみになった
- 経血コントロール*ができるようになった
- 使い捨てナプキンって意外に面倒なんだなと気づいた(意外とちょっとした荷物になったり収納スペースも必要なことがわかった)
こういう感想を聞くと「えっ! 生理が楽しみってどういうこと?」って思いますよね。 私もそう感じたひとりでした。 ですが、布ナプをはじめて使用したとき「もう布ナプキンを手放せない!」と感じるくらい本当に心地よかったんです。
肌あたりがやわらかく、なんだかお腹がポカポカする感じがしました。
とにかくあたたかくて「自分のお腹ってこんなに冷えていたの?」と驚いたのを覚えています。
それから布ナプを使い続けるうちにかぶれがなくなり、イライラや頭痛、肌荒れなどのPMS(月経前症候群)がなくなり、ごみのにおいを気にしたり、捨てる手間がなくなり、嬉しい体感ばかりでした。
ではここで、布ナプといってもいくつか種類があるので、それぞれについてご紹介したいと思います。
*経血コントロールとは、膣の筋肉を使い経血を出したい時にトイレで排出するという考え方です。生理用品がなかった昔の女性は、膣内にためた経血を自分の意思で出したり我慢したりとコントロールできていたという説があります。布ナプを使用していると、経血コントロールができるようになったという方もいます。
布ナプキンの種類
布ナプキンには大きく分けると、
- ボタン付きタイプ
- ハンカチタイプ
の2種類があります。
ボタン付きタイプは、ボタンがついていてショーツに固定できるタイプです。 ホルダーと呼ばれる布をショーツにのせ、ボタンをパチンと留めて使用します。
ホルダーの真ん中に厚みがあり、吸収部分と一体型になっているものや、ホルダーにポケットやゴムバンドがついていて、パッドという布を入れて厚みを調整できるようになっているものがあります。 また、防水シート入り、布のみで作られたものがあります。
ハンカチタイプは、文字通りハンカチのような形をしていて、三つ折や四つ折にし、ショーツにのせて使用するタイプです。 ハンカチタイプにもポケットやゴムバンドがついていて、パッドを入れ厚みの調節ができるものもあります。 厚さや大きさもさまざまな種類があります。
今回ご紹介している布ナプは、布も糸もオーガニックコットン製のものですが、布の種類や色やデザイン(柄)など豊富になってきているので、好みのものを探してみてください。
布ナプがよいことも、種類もわかったけれど、「どのようにはじめたらいいの?」という方へ、布ナプのはじめ方・使い方を順に説明していきます。
布ナプキンのはじめ方
布ナプをはじめるとき、まず不安になるのは「布だけで漏れないの?」ということだと思います。 結論からお伝えすると、長時間放置したり、激しく動いたりすれば、漏れることもあります。 ですが、これは使い捨てナプキンでも同じですよね。
使い捨てナプキンでも、長時間交換できなかったり、激しい運動をしてズレてしまったりすると、経血がもれてしまうことがあります。
漏れるか漏れないか、でお答えするなら、布ナプも使い捨てナプキンも同じなんです。 ですので、まずは心配しすぎずにはじめてみてください。
私自身も初潮を向かえ、使い捨てナプキンを使用したときは、本当に漏れないか、どのくらいのペースで交換すればいいのか、とても心配でした。
布ナプをはじめたときも、布ナプを使うことで自分の体にどんな変化が起こるのかというワクワクと、着けたときの心地よさはありましたが、どのくらいのペースで交換すればよいのかハラハラしていました。
初めて布ナプを使うベストのタイミングは?
布ナプをはじめるのにおすすめの方法は、まず生理の3~4日目くらいの経血量が少し落ち着いてきたころ。自宅で過ごしている時間に、2~3時間くらいから試してみることです。
そしてその時間で、どれくらいの量が出ているのか確認し、漏れていなければ今度はもう少し長い時間挑戦してみてください。 布の厚みを変えてみたり、慣れてきたら外出時に使用してみたりと使っていくうちに、徐々に交換のペースがつかめてきます。 すると、生理〇日目にはこれくらいの厚さの布ナプがちょうどいいなと、わかってきます。 もちろん、自宅にいるときのみ布ナプで、外出時は使い捨てナプキンを使用しているという方もたくさんいらっしゃるので、無理して外出時に使用しなくてもOKです。
ご自身がリラックスしたり、楽しんで使用できる範囲で使ってみましょう。
どうしても漏れが心配という方は・・・
どうしても漏れが心配という方は、使い捨てナプキンの上に布ナプを置いて使用してみてください。 なんとなくペースがつかめてきたら、布ナプのみにしてみるという方法もあります。
それでもまだ心配という方は、生理期間ではないときに、ショーツの上に布ナプをつけてみることからはじめ、天然繊維の布ナプの肌ざわり、着け心地を体感してみてください。
私の場合は、使い捨てナプキンを交換していたときと同じペースで、布ナプを交換し、問題なく使用できています。 何時間くらいかと聞かれると難しいのですが、1日のうちでトイレに行きたいと思ったタイミングで交換という感じです。 経血量の多い日には厚手のものを、少ない日には薄手のものを使用し、布の厚みは調節しています。
布ナプの使い方
- 布ナプを購入してから使用するまでに、あらかじめ一度、洗濯をしておきましょう。 特にオーガニックコットン生地は油分を多く含んでいるため、お洗濯をして少し油分を落とした方が吸収力がアップします。
- 布ナプは、ボタン付きであればショーツにのせてボタンをとめるだけ。 ハンカチタイプは三つ折りや四つ折りにしてそのままショーツにのせるだけです。
ボタン付きの布ナプの上に、パッドと呼ばれる、布ナプの厚さを調節できるものを置いたり、三つ折り布ナプキンを写真のようにクルっと丸めて、ショーツの真ん中に置いてあてたり、経血量に合わせて厚みや形を調節できます。
布ナプの洗い方
「布ナプのお洗濯って面倒そう…」私も布ナプ生活をはじめるまではそう思っていました。 そして、そのハードルが高く感じていました。 でもやってみると、とても簡単なんです! いつものお洗濯に少しプラスするだけです。
布ナプ洗濯の方法
- 水orぬるま湯(40℃以下)で予洗いする
- 重曹、セスキ炭酸ソーダなどの自然由来の弱アルカリ性洗剤を溶かした水で3~12時間つけ置きする
- 洗濯機で洗濯する(脱水をしっかりする)
- 干す(天日干しがおすすめ)
以上です。
まず1で経血を軽く流して予洗いします。
2のつけ置き洗いが布ナプキンでは一番大事です。 自然由来の弱アルカリ性洗剤を使用してつけ置きします。 これでほとんどの経血はきれいに落ちます。
3,4は普段のお洗濯と変わりませんし、つけ置き洗いが基本なので、布をゴシゴシ洗ったりと面倒なことはほとんどありません。
布ナプ洗濯時の注意点
◎予洗いや洗濯に使う水は、40℃以下のぬるま湯にしましょう。 熱いお湯で洗うと経血が固まってしまい、汚れが落ちにくくなってしまいます。
◎生地が傷まないよう、強くゴシゴシと擦り洗いしないようにしましょう。
◎ 柔軟剤には水分を弾くように仕上げるものもあり、布ナプの吸収力に影響する可能性があるので、柔軟剤の使用は避けましょう。
◎塩素系漂白剤は、布がゴワゴワになりやすいので使用は避けましょう。
◎生乾きで放置するとにおいの原因になることもあります。 布ナプをしっかり乾かせないときは、アイロンをあてたり、浴室乾燥機やサーキュレーターで乾かしましょう。
使用後の布ナプをすぐにつけ置きできない場合は?
使用後の布ナプをすぐにつけ置きできない場合には、
-
- 使い捨てジッパーバッグ(今は消臭機能のついたジッパーバッグも販売されています)
- ジッパー付きシリコンバック
に入れて持ち帰るのがおすすめです。 使い終わった布ナプを、ジッパー付きバックに入れて持ち帰り、中にお水と重曹などの弱アルカリ性洗剤を入れれば、そのままつけ置き洗いができます。
持ち歩きの際、臭いが気になる場合は、ジッパーバックの中にあらかじめ
- 重曹 小1
- お好みのアロマオイル 2~3滴
を入れておくと手作りの消臭剤になりますし、帰ってそもままジッパーバックにお水を入れるだけでつけ置き洗いができ、とても便利です。
アロマオイル(精油)は、ティートゥリーやローズマリーは抗菌力が高いといわれ、またペパーミントやレモングラスは爽やかな香りになるのでおすすめです。
ごみをなるべく出したくない、プラフリ*に挑戦したい方は、ジッパー付きシリコンバッグが繰り返し使用できて便利です。 また、小さなスプレーボトルに重曹水を入れておいて、使用後の布ナプにシュッとしてからジッパーバッグなどに入れ持ち帰ると、お洗濯が楽になります。
【プラフリ(プラスチックフリー)って何? 今すぐできるプラフリ生活について知りたい方はこちら↓】
布ナプ使用時のルール(気を付けたいこと)
- 自分専用にしましょう
- 自分で洗いましょう
- こまめに替えましょう
- 洗濯するまでは他の人が触れないようにしましょう
- 洗濯の水は周囲に飛び散らないように、そっと流しましょう
- 太陽の光でしっかり乾かしましょう
- 清潔な場所で保管しましょう
- 気になる症状が出たらすぐに使用をやめましょう
- 血液感染症の方は医師へ相談してから使いましょう
家族でも布ナプは共用せず、自分専用にしましょう。 親子や姉妹で布ナプを使用していて、洗濯をすると自分のがどれだかわからなくなってしまうような場合には、端に色のついた糸で刺繍をしてみるなど、目印をつけるとよいです。
最後に、布ナプを使ってみて
ここまで記事を読んでみて「私も布ナプはじめてみようかな!」と思った方はぜひ少し勇気を出して、ちょっと実験するような感覚ではじめてみることをおすすめします。
まだ使ってみる勇気が出ないという方は、実際に布ナプを販売しているお店で、どんなものがあるのか、ぜひ手に取って触ってみてください。 触ってみたら、心地よくて、「やっぱり使ってみよう!」となるかもしれません!
布ナプは、肌に触れる面がきなりや白っぽい色のものが多いので、経血の状態や色が見られて、毎月の体調をチェックできたり、ちょっとした変化に気づけたり、おりものの量がわかりやすいというメリットもあります。
自分で布ナプを洗濯することで、自分の体を知るよいきっかけにもなります。
毎月正常な生理がくることは、体が健康できちんと働いてくれている証拠! 生理がきた日は、自分の体に「いつもありがとう」と感謝する日になり、私自身は生理がくるのが楽しみになりました。
毎月同じように生理がくることだけでも「私の体ってすごい!」と思いませんか?
女性の生理期間は生涯で8~9年間分といわれています。
生理はブルーデーなどマイナスな言葉で表現される場合が多いですが、こんなに長い期間、毎月くる生理期間を快適に楽しく過ごしたいですよね!
布ナプを知ることで命をつなぐ生理について考えたり、自分の体を知ることにつながったり、まずはそういった機会が増えると生理についてのイメージも変わってくるかもしれません。 そして、布ナプに興味が湧いた方は、より心地よく生理期間を過ごせるものを選んで取り入れてみてくださいね。
体にも心にも、これからの地球にもやさしい選択をしていけたらいいですね。
参考資料:
「布ナプキン こころ、からだ、軽くなる」ユーゴ タバブックス
「生理が楽しみになる本~知って、やって、身体が変わる!~」京谷 奈緒美&まんが/松鳥むう 講談社
「あたらしい自分になる本」服部 みれい アスペクト
「いいね25 いいこといっぱい布ナプキン」クレヨンハウス