今回は、自然にそった暮らし、七十二候の第一候「東風解凍」について。
東風解凍は、「はるかぜこおりをとく」と読みます。
二十四節気では「大寒」から「立春」へと移り、旧暦の七十二候ではこのころから新年となります。東風解凍は、「立春」のはじめの七十二候、初候です。
いまの2月4日~8日ころになります。
七十二候は、自然に寄り添う暮らし方の知恵を紹介してくれています。
そのなかでも、EATでは旬の食材についてご紹介しています。自然にそった食べ方の参考にしていただけると嬉しいです。
二十四節気「立春(りっしゅん)」
立春とは、二十四節気の中で1番最初にくる節気で、正月節ともいいます。立春の前日が節分です。
立春から春分までの間に吹く南寄りの強風を「春一番」といいます。
七十二候「東風解凍(はるかぜこおりをとく)」
新暦で2月4日~8日ころ。
東風とは春風のことです。東風解凍とは、あたたかな春風が吹きはじめ、川や湖の氷がゆっくりと解けるころのことです。
立春から始まる一年の朝一番に汲んだ水を「若水」といい、無病息災や幸せ、豊作を招く水とされています。その若水で入れたお茶を「福茶」といい縁起のよいものとして飲まれてきました。地域によりさまざまですが、梅、昆布、黒豆、粉山椒などを入れて飲まれています。
旬の食材「ふきのとう/蕗の薹」
ふきのとうは春先に雪解けの土の中から顔をのぞかせます。
独特の苦みとやわらかい食感で、天ぷらやおひたし、ふき味噌などさまざまなレシピがあり、春の訪れを感じられる食材のひとつですね。
ふきのとうの独特の苦みは、植物が外敵から身を守るために「植物性アルカロイド」という成分を含んでいることによるものです。このアルカロイドは腎臓の働きを助けてくれるといわれています。
また、むくみ予防、解消し高血圧を抑制する作用が期待できるといわれているカリウムも豊富です。さらに食物繊維やビタミンEも含まれています。
ふきのとうの選び方:
ふきのとうは鮮度がとても大切です。摘んだばかりのものをいただくのがよいです。
葉が開いていないもの、つぼみの硬いもの、根元の切り口が黒ずんでいないものを選びましょう。
旬の食材は栄養価も高く、一番おいしいとき!
皆さんはふきのとうで何を作りますか?
「身土不二」暮らす土地の旬の食材をたくさんいただきたいですね!!
【七十二候とは】 日本には、一年を4つに分けた「春夏秋冬」のほかに、一年を24等分し季節を表す「二十四節気」、さらに細かく一年を72等分した「七十二候」という暦があります。 七十二候は、四季折々のできごとをそのまま名前にしていて、5日ごとに新しい季節に移ります。 日本人は昔から、七十二候を田植えや稲刈りなど農耕の目安にし、節分やお彼岸、土用など季節の節目を知る暦として使っています。今では私たちの暮らしの中に溶け込み、馴染み深いものも少なくありません。また、七十二候では、植物や生き物たち、旬の食材などが紹介され、こまやかな季節の移ろいを感じるとることができます。 気候変動によって気候の変化も大きい現代には、少しずれているところもあるかもしれませんが、自然に寄り添う暮らしを思い出させてくれる知恵がいっぱいつまっています。 |
参考:白井明大・有賀一広(2020)『日本の七十二候を楽しむー旧暦のある暮らしー』角川書店.