【自然にそった暮らし】第四十六候「雷乃収声 かみなりすなわちこえをおさむ」秋分・初候

今回は、自然にそった暮らし、七十二候の第四十六候「雷乃収声」について。
雷乃収声は、「かみなりすなわちこえをおさむ」と読みます。

二十四節気では「白露」から「秋分」へと移りました。雷乃収声は、「秋分」のはじめの七十二候、初候です。
いまの9月22日~27日ころになります。

七十二候は、自然に寄り添う暮らし方の知恵を紹介してくれています。
そのなかでも、EATでは旬の食材についてご紹介しています。自然にそった食べ方の参考にしていただけると嬉しいです。

二十四節気「秋分(しゅうぶん)」

秋分とは、昼と夜の長さが等しくなる日のこと。
秋分の日を挟んで7日間が秋のお彼岸です。
お彼岸は日本独自の仏教行事で、ご先祖様を供養し、感謝する日とされています。

七十二候「雷乃収声(かみなりすなわちこえをおさむ)」

彼岸花

新暦で9月22日~27日ころ。

雷乃収声は、春分の末候「雷乃発声(かみなりすなわちこえをはっす)」から増え始めた雷が、鳴らなくなるころ。
このころには入道雲がなくなり、鰯雲や鱗雲が秋の空に広がります。

お彼岸の頃に開花する彼岸花。曼殊沙華(まんじゅしゃげ)とも呼ばれます。彼岸花は草が生えて花が咲く通常の草花と違い、球根から花が出てきて、花が枯れた後に葉が生えてきます。

旬の食材「松茸」

松茸

松茸の旬は9月中旬~11月初旬。

松茸はおもにアカマツの林に自生します。いまだ人工栽培が確立されていないうえ、自然の中でも繁殖が難しいので貴重な食材です。

松茸の独特の香りは「マツタケオール」や「桂皮酸メチル」によるもので、食欲増進、消化酵素の分泌を促す作用があるといわれています。

松茸を含めきのこ類にはβ-グルカンという食物繊維の一種が豊富で、腸内環境を整え、便秘解消に役立ってくれます。
また、血行をよくする働きのあるナイアシン、むくみをとる作用のあるカリウムが含まれています。

松茸の選び方:
松茸は笠の状態によって呼び方が変わります。笠が全く開いていないものを「コロ」、笠が少し開いたものを「ツボミ、中ツボミ」、笠が開いたものを「ヒラキ」といいます。
香りとうまみのバランスがとれているのがツボミ、香りが一番強いのはヒラキといわれています。
購入する際は、軸がしっかりしているもの、弾力のあるもの、全体がしっとりして乾燥していないものを選びましょう。

旬の食材は栄養価も高く、一番おいしいとき!
皆さんは松茸で何を作りますか?

「身土不二」暮らす土地の旬の食材をたくさんいただきたいですね!!

 

【七十二候とは】
日本には、一年を4つに分けた「春夏秋冬」のほかに、一年を24等分し季節を表す「二十四節気」、さらに細かく一年を72等分した「七十二候」という暦があります。
七十二候は、四季折々のできごとをそのまま名前にしていて、5日ごとに新しい季節に移ります。
日本人は昔から、七十二候を田植えや稲刈りなど農耕の目安にし、節分やお彼岸、土用など季節の節目を知る暦として使っています。今では私たちの暮らしの中に溶け込み、馴染み深いものも少なくありません。また、七十二候では、植物や生き物たち、旬の食材などが紹介され、こまやかな季節の移ろいを感じるとることができます。
気候変動によって気候の変化も大きい現代には、少しずれているところもあるかもしれませんが、自然に寄り添う暮らしを思い出させてくれる知恵がいっぱいつまっています。

 

参考:白井明大・有賀一広(2020)『日本の七十二候を楽しむー旧暦のある暮らしー』角川書店.

 

写真=pixabay
文=板倉由佳

 

Eat Act Tokyo編集部

Eat Act Tokyo 編集部 I つくる喜び、たべる楽しさ『自然にそった食べ方、暮らし方』をテーマに季節の食材を使ったレシピや心地よい食べ方を発信。私たちにも、地球にも、やさしい食べ方や暮らし方をご紹介しています。

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