今回は、自然にそった暮らし、七十二候の第六十五候「麋角解」について。
麋角解は、「さわしかのつのおつる」または「おおしかのつのおつる」と読みます。
七十二候は冬至の初候「乃東生」から次候「麋角解」へ移りました。
いまの12月26日~30日ころになります。
七十二候は、自然に寄り添う暮らし方の知恵を紹介してくれています。
そのなかでも、EATでは旬の食材についてご紹介しています。自然にそった食べ方の参考にしていただけると嬉しいです。
二十四節気「冬至(とうじ)」
冬至とは、1年で最も昼が短く、夜が長い日です。
太陽が復活する日と考えられ、縁起のよい日ともされてきました。古代では冬至が1年のはじまりだったそうです。
七十二候「麋角解(さわしかのつのおつる)」
新暦で12月26日~30日ころ。
麋角解とは、オスの麋の角が落ちて、新しい角が生えるころのことです。大きく立派に生えたオスの角は1年に一度この時期に根元から自然に落ち、生え変わります。
麋角解の「麋(さわしか)」とは見慣れない漢字ですが、ヘラジカなどのトナカイの仲間のことを指すそうです。トナカイはメスにも角がありますが、生え変わる時期はオスと違い、春になってからです。
旬の食材「かぼちゃ」
かぼちゃの収穫は夏から秋にかけてですが、保存性がよく一年中食べることができる食材です。
冬至には「ん」のつくものを食べると運気が上がるといわれ、かぼちゃ=南瓜(なんきん)も冬至に食べられてきました。
かぼちゃにはβ-カロテンが含まれています。β-カロテンは目の疲労やトラブルによいとされています。またビタミンCも多く含まれ、風邪予防にも効果が期待できる食材です。抗酸化作用があるといわれているビタミンEも豊富に含まれています。
さらに、むくみ予防や改善が期待できるカリウムも含まれています。通常カリウムは水に流れやすい性質がありますが、かぼちゃのカリウムは生でも茹でても冷凍しても大きな差はなく摂取できるそうです。
かぼちゃの選び方:
皮の表面にツヤがあり濃い緑色のもの、軸が太くて、軸の周りが少しへこんでいるもの、切り口が乾燥しコルクのようになっているものを選びましょう。
カットしてあるものを購入する際は、種がしっかりと詰まっているもの、肉厚で色が鮮やかなものがよいです。
旬の食材は栄養価も高く、一番おいしいとき!
皆さんはかぼちゃで何を作りますか?
「身土不二」暮らす土地の旬の食材をたくさんいただきたいですね!!
【七十二候とは】 日本には、一年を4つに分けた「春夏秋冬」のほかに、一年を24等分し季節を表す「二十四節気」、さらに細かく一年を72等分した「七十二候」という暦があります。 七十二候は、四季折々のできごとをそのまま名前にしていて、5日ごとに新しい季節に移ります。 日本人は昔から、七十二候を田植えや稲刈りなど農耕の目安にし、節分やお彼岸、土用など季節の節目を知る暦として使っています。今では私たちの暮らしの中に溶け込み、馴染み深いものも少なくありません。また、七十二候では、植物や生き物たち、旬の食材などが紹介され、こまやかな季節の移ろいを感じるとることができます。 気候変動によって気候の変化も大きい現代には、少しずれているところもあるかもしれませんが、自然に寄り添う暮らしを思い出させてくれる知恵がいっぱいつまっています。 |
参考:白井明大・有賀一広(2020)『日本の七十二候を楽しむー旧暦のある暮らしー』角川書店.
写真=pixabay
文=板倉由佳