今回は、自然にそった暮らし、七十二候の第七十一候「水沢腹堅」について。
水沢腹堅は、「みずさわあつくかたし」と読みます。
七十二候は大寒の初候「款冬華」から次候「水沢腹堅」へ移りました。
いまの1月25日~29日ころになります。
七十二候は、自然に寄り添う暮らし方の知恵を紹介してくれています。
そのなかでも、EATでは旬の食材についてご紹介しています。自然にそった食べ方の参考にしていただけると嬉しいです。
二十四節気「大寒(だいかん)」
大寒とは、一年の中でもっとも寒さが厳しいころです。
冬の最後の節季。大寒の最後の日は、節分です。
大寒の朝の水は「寒の水」といわれ、年間を通して腐らないといわれ保存に適しているといわれていました。この寒の水を使って、味噌、お酒、お醤油などを仕込んだそうです。
七十二候「水沢腹堅(みずさわあつくかたし)」
新暦で1月25日~29日ころ。
水沢腹堅とは、川に流れる水が凍ってしまうほど寒いころです。一年で一番冷える時期です。
日本の観測史上最低気温は、1902年1月25日の北海道 ・旭川で「-41度」だそうです。
「春隣(はるとなり)」という冬の季語があります。もうすぐそこまで春が来ていることをさします。厳しい寒さの中でも、春は近づき、日は少しづつのびていきます。
旬の食材「水菜」
水菜の旬は12~3月。
日本の京都原産の野菜で「京菜(きょうな)」とも呼ばれています。
水菜はとても栄養豊富な緑黄色野菜です。
免疫力を高める効果が期待できるといわれているβ-カロテンやビタミンCなどのビタミン類、骨の健康維持に欠かせないカリウム、カルシウムも含まれています。
また、マグネシウム、鉄、リンなどのミネラルも豊富です。
さらに貧血予防や、皮膚の健康維持に必要な葉酸も含まれています。
ビタミンCは水に溶けやすい性質があるので、火を通さずサラダなどで生でいただくのがおすすめです。鍋などに入れる際は、スープまで全ていただくとビタミンCを逃さずに摂ることができます。
β-カロテンは油と相性がよいので、さっと油炒めにするのもよいです。
水菜の選び方:
葉の緑が濃く、シャキッとしているもの、茎がしっかりしているものを選びましょう。
旬の食材は栄養価も高く、一番おいしいとき!
皆さんは水菜で何を作りますか?
「身土不二」暮らす土地の旬の食材をたくさんいただきたいですね!!
【七十二候とは】 日本には、一年を4つに分けた「春夏秋冬」のほかに、一年を24等分し季節を表す「二十四節気」、さらに細かく一年を72等分した「七十二候」という暦があります。 七十二候は、四季折々のできごとをそのまま名前にしていて、5日ごとに新しい季節に移ります。 日本人は昔から、七十二候を田植えや稲刈りなど農耕の目安にし、節分やお彼岸、土用など季節の節目を知る暦として使っています。今では私たちの暮らしの中に溶け込み、馴染み深いものも少なくありません。また、七十二候では、植物や生き物たち、旬の食材などが紹介され、こまやかな季節の移ろいを感じるとることができます。 気候変動によって気候の変化も大きい現代には、少しずれているところもあるかもしれませんが、自然に寄り添う暮らしを思い出させてくれる知恵がいっぱいつまっています。 |
参考:白井明大・有賀一広(2020)『日本の七十二候を楽しむー旧暦のある暮らしー』角川書店.