今回は、自然にそった暮らし、七十二候の第十七候「霜止出苗」について。
霜止出苗は、「しもやみてなえいずる」と読みます。
七十二候は穀雨の初候「葭始生」から次候「霜止出苗」へ移りました。
いまの4月25日~29日ころになります。
七十二候は、自然に寄り添う暮らし方の知恵を紹介してくれています。
そのなかでも、EATでは旬の食材についてご紹介しています。自然にそった食べ方の参考にしていただけると嬉しいです。
二十四節気「穀雨(こくう)」
穀雨とは、穀物を育み、草木を潤す春の雨が降るころのことをいいます。
春季の最後の節気となります。穀雨の終わりに、八十八夜が訪れます。
七十二候「霜止出苗(しもやみてなえいずる)」
新暦で4月25日~29日ころ。
霜止出苗とは、朝に霜が下りることがなくなり、苗が健やかにすくすくと育つころのことです。種籾(たねもみ)が芽吹き伸びていく季節です。
「五風十雨(ごふうじゅうう)」という言葉があります。5日に一度風が一吹いて、10日に一度雨が降る、気候が穏やかで農業にも最適な天気のことをあらわしています。また世界が静穏無事であることのたとえとして用いられます。
旬の食材「よもぎ」
よもぎの旬は4~8月です。
キク科の多年草で、各地に野生し道端でもよく見られます。
よもぎは「餅草(モチグサ)」という別名もあり、若葉は草餅などの和菓子によく使われます。また、お灸や入浴剤、生薬としても用いられてきました。
よもぎにはとても多くの食物繊維が含まれています。この食物繊維は不溶性食物繊維で、腸を整えてくれる効果が期待できるといわれています。
また、造血作用促進や、貧血の予防・改善に作用するとされているクロロフィルも含まれています。
さらに、ビタミンKも含まれており、ビタミンKには血液凝固に関わる成分で血液の造血を助ける効果があるといわれています。
昔、漢方では止血薬として使われていました。民間でも切り傷などの出血時に活用されていました。
よもぎの選び方:
葉がみずみずしく黄緑色のもの、柔らかいものを選びましょう。葉が赤くなってきている部分があったら取り除きましょう。
よもぎは栄養が豊富である一方でアクの強い食品です。新鮮なうちにアク抜きをしてから調理または保存をしましょう。
旬の食材は栄養価も高く、一番おいしいとき!
皆さんはよもぎで何を作りますか?
「身土不二」暮らす土地の旬の食材をたくさんいただきたいですね!!
【七十二候とは】 日本には、一年を4つに分けた「春夏秋冬」のほかに、一年を24等分し季節を表す「二十四節気」、さらに細かく一年を72等分した「七十二候」という暦があります。 七十二候は、四季折々のできごとをそのまま名前にしていて、5日ごとに新しい季節に移ります。 日本人は昔から、七十二候を田植えや稲刈りなど農耕の目安にし、節分やお彼岸、土用など季節の節目を知る暦として使っています。今では私たちの暮らしの中に溶け込み、馴染み深いものも少なくありません。また、七十二候では、植物や生き物たち、旬の食材などが紹介され、こまやかな季節の移ろいを感じるとることができます。 気候変動によって気候の変化も大きい現代には、少しずれているところもあるかもしれませんが、自然に寄り添う暮らしを思い出させてくれる知恵がいっぱいつまっています。 |
参考:白井明大・有賀一広(2020)『日本の七十二候を楽しむー旧暦のある暮らしー』角川書店.