【自然にそった暮らし】第四十二候「禾乃登 こくものすなわちみのる」処暑・末候

今回は、自然にそった暮らし、七十二候の第四十二候「禾乃登」について。
禾乃登は、「こくものすなわちみのる」と読みます。

七十二候は処暑の次候「天地始粛」から末候「禾乃登」へ移りました。
いまの9月2日~6日ころになります。

七十二候は、自然に寄り添う暮らし方の知恵を紹介してくれています。
そのなかでも、EATでは旬の食材についてご紹介しています。自然にそった食べ方の参考にしていただけると嬉しいです。

二十四節気「処暑(しょしょ)」

処暑とはだんだんと暑さが和らいでくるころのこと。
さまざまな穀物が実りはじめます。台風の多い季節でもあります。

七十二候「禾乃登(こくものすなわちみのる)」

稲

新暦で9月2日~6日ころ。

稲などの穀物が実り、穂がほんのり色づき、たれてくるころ。
少しづつ秋の気配が近づいています。

「禾(のぎ)」とはイネ科植物の先に生えている毛のことです。また、稲、麦、あわ、ひえ、きびなどの穀物の総称でもあります。

チンチロリンという愛らしい鳴き声のまつむし。初秋の季語になっています。残暑厳しいころから秋に鳴く代表的な虫です。
朝夕の静かな時間に、虫たちの鳴き声に耳をすませてみてはいかがでしょうか。

旬の食材「無花果 いちじく」

いちじく

世界でもっとも古い果物のひとつといわれている無花果。日本へは江戸時代に薬用として入ってきたといわれています。

無花果と書きますが、花が咲かないわけではありません。切ったときに実の中に見える無数の白いつぶつぶが無花果の花です。

無花果は水溶性の食物繊維のペクチンを豊富に含んでいるので、コレステロールや糖質の吸収を抑える働きがあり、腸内環境をよくしてくれます。

また、酵素のフィシンが含まれており、消化促進作用や、お酒を飲んだあとに食べると二日酔い予防が期待できるとされています。このフィシンはタンパク質を分解する酵素なので、肉料理の下準備に使うと肉を柔らかくしてくれます。

フィシンは熱に弱いため、生で食べるのがおすすめです。
加熱する場合は水溶性の栄養素が流れ出てしまうので、煮汁まで食べられるジャムやコンポート、ソースがよいでしょう。

旬の食材は栄養価も高く、一番おいしいとき!
皆さんは無花果で何を作りますか?

「身土不二」暮らす土地の旬の食材をたくさんいただきたいですね!!

 

【七十二候とは】
日本には、一年を4つに分けた「春夏秋冬」のほかに、一年を24等分し季節を表す「二十四節気」、さらに細かく一年を72等分した「七十二候」という暦があります。
七十二候は、四季折々のできごとをそのまま名前にしていて、5日ごとに新しい季節に移ります。
日本人は昔から、七十二候を田植えや稲刈りなど農耕の目安にし、節分やお彼岸、土用など季節の節目を知る暦として使っています。今では私たちの暮らしの中に溶け込み、馴染み深いものも少なくありません。また、七十二候では、植物や生き物たち、旬の食材などが紹介され、こまやかな季節の移ろいを感じるとることができます。
気候変動によって気候の変化も大きい現代には、少しずれているところもあるかもしれませんが、自然に寄り添う暮らしを思い出させてくれる知恵がいっぱいつまっています。

 

参考:白井明大・有賀一広(2020)『日本の七十二候を楽しむー旧暦のある暮らしー』角川書店.

 

写真=pixabay
文=板倉由佳

 

Eat Act Tokyo編集部

Eat Act Tokyo 編集部 I つくる喜び、たべる楽しさ『自然にそった食べ方、暮らし方』をテーマに季節の食材を使ったレシピや心地よい食べ方を発信。私たちにも、地球にも、やさしい食べ方や暮らし方をご紹介しています。

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