今回は、自然にそった暮らし、七十二候の第四候「土脉潤起」について。
土脉潤起は、「つちのしょううるおいおこる」と読みます。
二十四節気では「立春」から「雨水」へと移りました。土脉潤起は、雨水のはじめの七十二候「初候」です。
いまの2月19日~23日ころになります。
七十二候は、自然に寄り添う暮らし方の知恵を紹介してくれています。
そのなかでも、EATでは旬の食材についてご紹介しています。自然にそった食べ方の参考にしていただけると嬉しいです。
二十四節気「雨水(うすい)」
雨水とは、降る雪が雨に変わり山の雪、氷が解けだすころのことをいいます。
昔から農耕の準備をはじめるころとされています。
七十二候「土脉潤起(つちのしょううるおいおこる)」
新暦で2月19日~23日ころ。
降っていた雪が、春の暖かな雨に変わり、冷たく固くなっていた土が潤い、目覚めるころ。
実際には、まだまだ寒く北国では雪も降っています。ですが、お日さまも春の日差しに変わり、植物たちが芽吹きはじめ、潤った土が雪の合間から見える光景に季節の変わりを感じて嬉しくなるそんな季節ですね。
旬の食材「春キャベツ」
ちょうど春キャベツがおいしい季節。2月~初夏に収穫して出回るのが春キャベツです。
この季節のキャベツは葉のまきがゆるく、ふんわりしていて、葉っぱがやわらかくみずみずしいのが特徴です。
甘みもあり、生のままがとてもおいしい春キャベツは、浅漬けやサラダにぴったりですね。
また、春キャベツはほかの季節のキャベツより、ビタミンCの含有量が多くなっています。
キャベツの主な栄養素として、ビタミンC、食物繊維、ビタミンK、カリウム、ビタミンUなどがありますが、中でも特徴的なものがこの2つ。
- ビタミンC・・・風邪の予防、疲労回復、美肌など
- ビタミンU・・・キャベジンとして知られている栄養素。胃腸の粘膜の新陳代謝を促したり、胃液の分泌を抑えたりする
などの作用が期待できます。
どちらの栄養素も水溶性なので、切ったあと水にさらさないようにしましょう。
旬の食材は栄養価も高く、一番おいしいとき!
皆さんは春キャベツで何を作りますか?
「身土不二」暮らす土地の旬の食材をたくさんいただきたいですね!!
【七十二候とは】 日本には、一年を4つに分けた「春夏秋冬」のほかに、一年を24等分し季節を表す「二十四節気」、さらに細かく一年を72等分した「七十二候」という暦があります。 七十二候は、四季折々のできごとをそのまま名前にしていて、5日ごとに新しい季節に移ります。 日本人は昔から、七十二候を田植えや稲刈りなど農耕の目安にし、節分やお彼岸、土用など季節の節目を知る暦として使っています。今では私たちの暮らしの中に溶け込み、馴染み深いものも少なくありません。また、七十二候では、植物や生き物たち、旬の食材などが紹介され、こまやかな季節の移ろいを感じるとることができます。 気候変動によって気候の変化も大きい現代には、少しずれているところもあるかもしれませんが、自然に寄り添う暮らしを思い出させてくれる知恵がいっぱいつまっています。 |
参考:白井明大・有賀一広(2020)『日本の七十二候を楽しむー旧暦のある暮らしー』角川書店.