今回は、自然にそった暮らし、七十二候の第九候「菜虫化蝶」について。
菜虫化蝶は、「なむしちょうとなる」と読みます。
七十二候は啓蟄の次候「桃始笑」から末候「菜虫化蝶」へ移りました。
いまの3月15日~19日ころになります。
七十二候は、自然に寄り添う暮らし方の知恵を紹介してくれています。
そのなかでも、EATでは旬の食材についてご紹介しています。自然にそった食べ方の参考にしていただけると嬉しいです。
二十四節気「啓蟄(けいちつ)」
啓蟄とは、大地が暖まり土中の冬ごもりしていた虫などが穴の中から地上に出てくるころをいいます。
ひと雨ごとに春の陽気になっていく時期です。
七十二候「菜虫化蝶(なむしちょうとなる)」
新暦で3月15日~19日ころ。
日に日に暖かさが増し、気持ちのよい日が増えてきました。
菜虫化蝶とは、冬を越したさなぎが羽化し、蝶に生まれ変わるころ。
「菜虫」とはアブラナ科植物を食べる昆虫のことをいい、ここでの菜虫は青虫のことをさします。
3月16日は「十六団子の日」です。農業に関する行事のひとつで、田の神さまが種子を抱えて山から里へ下りてくる日で、十六個の団子を作って供えたことからこの名がついたといわれています。
旬の食材「葉わさび」
葉わさびは山葵(わさび)の茎や葉の部分のことです。
旬は3~4月です。わさびは日本原産の植物です。
わさびの辛み成分はアリルイソチオシアネートによるもので、茎や葉にも含まれています。アリルイソチオシアネートには強い抗菌・抗カビ作用があるといわれています。また刺激的で独特な香りには食欲増進と消化促進作用が期待できるといわれています。
葉わさびの選び方:
鮮やかな緑のもの、葉の先までシャキッとしているものを選びましょう。
洗った葉わさびに80℃のお湯をさっとかけ、容器に入れてよく振ると辛味が増し、それを醤油に漬けると、おいしい醤油漬けになります。
辛み成分のアリルイソチオシアネートは揮発性が高いため、沸騰したお湯で湯がいたり、湯がいた後に放置してしまうと、辛みが揮発してしまいます。下処理後は、密閉容器や瓶に詰めて保存するとよいです。
また、天ぷらにしたり、洗った葉わさびを軽く塩もみしてから茹で、おひたしにするのもおすすめです。
旬の食材は栄養価も高く、一番おいしいとき!
皆さんは葉わさびで何を作りますか?
「身土不二」暮らす土地の旬の食材をたくさんいただきたいですね!!
【七十二候とは】 日本には、一年を4つに分けた「春夏秋冬」のほかに、一年を24等分し季節を表す「二十四節気」、さらに細かく一年を72等分した「七十二候」という暦があります。 七十二候は、四季折々のできごとをそのまま名前にしていて、5日ごとに新しい季節に移ります。 日本人は昔から、七十二候を田植えや稲刈りなど農耕の目安にし、節分やお彼岸、土用など季節の節目を知る暦として使っています。今では私たちの暮らしの中に溶け込み、馴染み深いものも少なくありません。また、七十二候では、植物や生き物たち、旬の食材などが紹介され、こまやかな季節の移ろいを感じるとることができます。 気候変動によって気候の変化も大きい現代には、少しずれているところもあるかもしれませんが、自然に寄り添う暮らしを思い出させてくれる知恵がいっぱいつまっています。 |
参考:白井明大・有賀一広(2020)『日本の七十二候を楽しむー旧暦のある暮らしー』角川書店.