今回は、自然にそった暮らし、七十二候の第二十六候「腐草為蛍」について。
腐草為蛍は、「くされたるくさほたるとなる」と読みます。
二十四節気では「小満」から「芒種」へと移りました。腐草為蛍は、「芒種」の七十二候の次候です。
いまの6月10日~15日ころになります。
七十二候は、自然に寄り添う暮らし方の知恵を紹介してくれています。
そのなかでも、EATでは旬の食材についてご紹介しています。自然にそった食べ方の参考にしていただけると嬉しいです。
二十四節気「芒種(ぼうしゅ)」
芒種とは、稲や麦、芒(のぎ)のある穀物の種を蒔くころのこと。芒(のぎ)とは、稲や麦の穂先にある針状の突起のことです。
このころから雨の降る日が増えていきます。
七十二候「腐草為蛍(くされたるくさほたるとなる)」
新暦で6月10日~15日ころ。
蛍が幻想的な明かりをともし、飛びはじめるころ。
昔は草や根が暑さに蒸されて腐り、それが蛍に生まれ変わると信じられていたそうです。
日本には四十種類以上の蛍がいます。ゲンジボタルやヘイケボタルが有名ですね。
同じゲンジボタルでも、光の明滅の間隔が地方によって違います。西日本は2秒に1回、東日本は4秒に1回、中間の長野県や山梨県では3秒に1回だそうです。なぜ地域によって違いがあるのか、まだわかっていないそうです。
旬の食材「トマト」
トマトは通年スーパーなどに売られていますが、初夏のトマトは糖度が高く、味が濃くなります。
トマトの赤色はリコピンによるもので、カロテノイドの一種です。リコピンには抗酸化作用があります。日本では生で食べられることも多いトマトですが、加熱したトマトの方がリコピンを多く摂取できるといわれています。
また、油脂と一緒に摂ると吸収率が上がるので、オリーブオイルなどと一緒に食べるのがおすすめです。
トマトには、うま味旨み成分であるグルタミン酸も含まれています。煮込み、トマトソース、炒め物などさまざまな料理に使われ、西洋では「トマトの時期に下手な料理はない」ということわざがあるそうです。
青いトマトは常温で追熟し、赤くトマトはヘタを下にして、トマト同士がくっつかないようにポリ袋などに入れ野菜室で保存します。冷やしすぎると風味が落ちてしまうので気をつけましょう。
旬の食材は栄養価も高く、一番おいしいとき!
皆さんはトマトで何を作りますか?
「身土不二」暮らす土地の旬の食材をたくさんいただきたいですね!!
【七十二候とは】 日本には、一年を4つに分けた「春夏秋冬」のほかに、一年を24等分し季節を表す「二十四節気」、さらに細かく一年を72等分した「七十二候」という暦があります。 七十二候は、四季折々のできごとをそのまま名前にしていて、5日ごとに新しい季節に移ります。 日本人は昔から、七十二候を田植えや稲刈りなど農耕の目安にし、節分やお彼岸、土用など季節の節目を知る暦として使っています。今では私たちの暮らしの中に溶け込み、馴染み深いものも少なくありません。また、七十二候では、植物や生き物たち、旬の食材などが紹介され、こまやかな季節の移ろいを感じるとることができます。 気候変動によって気候の変化も大きい現代には、少しずれているところもあるかもしれませんが、自然に寄り添う暮らしを思い出させてくれる知恵がいっぱいつまっています。 |
参考:白井明大・有賀一広(2020)『日本の七十二候を楽しむー旧暦のある暮らしー』角川書店.