【自然にそった暮らし】第十二候「雷乃発声 かみなりすなわちこえをはっす」春分・末候

今回は、自然にそった暮らし、七十二候の第十二候「雷乃発声」について。
雷乃発声は、「かみなりすなわちこえをはっす」と読みます。

七十二候は春分の次候「桜始開」から末候「雷乃発声」へ移りました。
いまの3月30日~4月3日ころになります。

七十二候は、自然に寄り添う暮らし方の知恵を紹介してくれています。
そのなかでも、EATでは旬の食材についてご紹介しています。自然にそった食べ方の参考にしていただけると嬉しいです。

二十四節気「春分(しゅんぶん)」

春分とは、昼と夜の長さが等しくなり、本格的な春がはじまるころです。
春分の日を含め、前後3日間が「春のお彼岸」になります。

七十二候「雷乃発声(かみなりすなわちこえをはっす)」

雷

新暦で3月30日~4月3日ころ。

雷乃発声とは、季節の変わり目、春を告げる雷が鳴りはじめるころのこと。

「稲妻ひと光で稲が一寸伸びる」という先人の言葉があります。また、稲妻が多い年は稲が豊作だと昔から信じられてきました。雷が多くなる春から夏にかけては稲が成長する時期でもあるので、雷の光が稲を実らせてくれると考えられていたそうです。

稲妻の「つま」ですが、古くは男女関係なく「妻」「夫」ともに「つま」といわれていました。雷の光が稲を実らせると信じられていたことから、雷の光を稲の連れ合いと見立てて「稲の夫(つま)」が語源となり「稲妻」といわれるようになったそうです。

旬の食材「うど」

うど 春の食材

うどは東アジア原産で、日本にも自生している食材です。
野山に自生しているものを「山うど」、栽培されているうどは「軟白うど・軟化うど」といいます。

山うどは、背が高くて皮が硬く、緑色です。
軟白うど・軟化うどは、白くて細長く皮も軟らかいのが特徴です。山うどの旬は3~5月ころ、軟白うど・軟化うどの旬は3~5月、11~2月ころ。

穂先は天ぷら、茎は和え物や炒め物など、独特の香りと歯ごたえが特徴的ですね。

うどには、アミノ酸の一種であるアスパラギン酸が含まれています。アスパラギン酸は代謝を促し疲労回復効果が期待できるといわれています。
また、むくみ予防・解消によいといわれているカリウムも含んでいます。

さらに、ポリフェノールの一種であるクロロゲン酸を含んでいます。クロロゲン酸は抗菌・抗酸化作用や細胞の老化を防ぐ働きが期待できるといわれています。

うどの選び方:太くてみずみずしいもの、うぶ毛がびっしりついているものを選びましょう。

旬の食材は栄養価も高く、一番おいしいとき!
皆さんはうどで何を作りますか?

「身土不二」暮らす土地の旬の食材をたくさんいただきたいですね!!

 

【七十二候とは】
日本には、一年を4つに分けた「春夏秋冬」のほかに、一年を24等分し季節を表す「二十四節気」、さらに細かく一年を72等分した「七十二候」という暦があります。
七十二候は、四季折々のできごとをそのまま名前にしていて、5日ごとに新しい季節に移ります。
日本人は昔から、七十二候を田植えや稲刈りなど農耕の目安にし、節分やお彼岸、土用など季節の節目を知る暦として使っています。今では私たちの暮らしの中に溶け込み、馴染み深いものも少なくありません。また、七十二候では、植物や生き物たち、旬の食材などが紹介され、こまやかな季節の移ろいを感じるとることができます。
気候変動によって気候の変化も大きい現代には、少しずれているところもあるかもしれませんが、自然に寄り添う暮らしを思い出させてくれる知恵がいっぱいつまっています。

 

 

参考:白井明大・有賀一広(2020)『日本の七十二候を楽しむー旧暦のある暮らしー』角川書店.

写真=pixabay,photoAC
文=板倉由佳

Eat Act Tokyo編集部

Eat Act Tokyo 編集部 I つくる喜び、たべる楽しさ『自然にそった食べ方、暮らし方』をテーマに季節の食材を使ったレシピや心地よい食べ方を発信。私たちにも、地球にも、やさしい食べ方や暮らし方をご紹介しています。

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