今回は、自然にそった暮らし、七十二候の第四十九候「鴻鴈来」について。
鴻鴈来は、「こうがんきたる」と読みます。
二十四節気では「秋分」から「寒露」へと移りました。鴻鴈来は、「寒露」のはじめの七十二候、初候です。
いまの10月8日~12日ころになります。
七十二候は、自然に寄り添う暮らし方の知恵を紹介してくれています。
そのなかでも、EATでは旬の食材についてご紹介しています。自然にそった食べ方の参考にしていただけると嬉しいです。
二十四節気「寒露(かんろ)」
寒露とは、露が冷たく感じられ、朝晩の冷えが増すころです。
秋の夕暮れを表現している、「釣瓶落とし(つるべおとし)」という言葉があります。日が傾きはじめると、空が茜色に染まり、あっという間に日が落ちる様子を表しています。秋の季語にもなっています。
七十二候「鴻鴈来(こうがんきたる)」
新暦で10月8日~12日ころ。
鴻鴈来とは、北の方から鴈が渡ってくるころ。「清明」の次候「鴻鴈北(こうがんかえる)」と対になっている候です。
その年にはじめてやって来る鴈を「初雁(はつかり)」といいます。
鴈が渡ってくるころに吹く北風を「鴈渡し(かりわたし)」または「青北風(あおきた)」といいます。
旬の食材「しめじ」
しめじの旬は9月~10月です。
ここでいう「しめじ」とは「ほんしめじ」のことです。スーパーなどでよく目にするのは「ぶなしめじ」で種類が違います。
自生する野生種のほんしめじは年々希少になっているようで、最近では人工栽培のほんしめじも流通しています。
「香り松茸、味しめじ」といわれるように、ほんしめじにはうま味がつまっています。
しめじには水に溶けにくい不水溶性の食物繊維が豊富に含まれています。便秘解消やコレステロールを下げる効果が期待できます。また、きのこ類に含まれているβグルカンは免疫力を高める効果があるといわれています。カリウムも豊富でむくみ予防、解消、高血圧予防によいとされています。
しめじの選び方:
笠にハリ、丸みがあり、開きすぎていないもの、一株にまとまっているもの、軸が白くしっかりとしたもの、袋の中に水分が溜まっていないものを選びましょう。
旬の食材は栄養価も高く、一番おいしいとき!
皆さんはしめじで何を作りますか?
「身土不二」暮らす土地の旬の食材をたくさんいただきたいですね!!
【七十二候とは】 日本には、一年を4つに分けた「春夏秋冬」のほかに、一年を24等分し季節を表す「二十四節気」、さらに細かく一年を72等分した「七十二候」という暦があります。 七十二候は、四季折々のできごとをそのまま名前にしていて、5日ごとに新しい季節に移ります。 日本人は昔から、七十二候を田植えや稲刈りなど農耕の目安にし、節分やお彼岸、土用など季節の節目を知る暦として使っています。今では私たちの暮らしの中に溶け込み、馴染み深いものも少なくありません。また、七十二候では、植物や生き物たち、旬の食材などが紹介され、こまやかな季節の移ろいを感じるとることができます。 気候変動によって気候の変化も大きい現代には、少しずれているところもあるかもしれませんが、自然に寄り添う暮らしを思い出させてくれる知恵がいっぱいつまっています。 |
参考:白井明大・有賀一広(2020)『日本の七十二候を楽しむー旧暦のある暮らしー』角川書店.