今回は、自然にそった暮らし、七十二候の第四十候「綿柎開」について。
綿柎開は、「わたのはなしべひらく」と読みます。
二十四節気では「立秋」から「処暑」へと移りました。綿柎開は、「処暑」のはじめの七十二候、初候です。
いまの8月23日~27日ころになります。
七十二候は、自然に寄り添う暮らし方の知恵を紹介してくれています。
そのなかでも、EATでは旬の食材についてご紹介しています。自然にそった食べ方の参考にしていただけると嬉しいです。
二十四節気「処暑(しょしょ)」
処暑とはだんだんと暑さが和らいでくるころのこと。
さまざまな穀物が実りはじめます。台風の多い季節でもあります。
七十二候「綿柎開(わたのはなしべひらく)」
新暦で8月23日~27日ころ。
綿柎開とは、綿の実をしっかりと包んでいた萼(がく)が開きはじめるころ。「柎」とは花の萼(がく)のことです。
綿は7~8月にかけて花を咲かせ、その後に蒴果(さくか)と呼ばれる実をつけます。秋になりその実がはじけ、中から綿毛が顔を出します。
綿花(またはコットンボール)という言葉を聞いたことがあるかもしれませんが、綿花は綿の花のことではなく、この種子を包んでいる綿毛のことをいいます。
旬の食材「すだち」
すだちの旬は8~9月。主に徳島で生産されています。
ゆずやかぼすより小ぶりで、皮が薄いです。一般的に黄色く熟す前、風味のよい緑色のうちに収穫されます。
すだちは、ゆずやかぼすと同じ「香酸柑橘類」の仲間です。香酸柑橘類とは、みかんなどと違って実を食べるのではなく、果汁の味や果皮の香りを楽しむ柑橘類です。
果汁にはクエン酸が豊富で食欲増進、疲労回復の効果があるといわれています。また、ビタミンCも多く含まれているので、シミ、シワの予防、風邪予防によいとされています。
すだちは、皮にツヤ、ハリがあり、黄色味のない緑色のものを選びましょう。また持ったときにしっかりと重みのあるものがよいです。
魚やお肉に絞ったり、輪切りにしたすだちをうどんやそうめんにトッピングするのもおいしいですね。夏の食欲がない時期にも、すだちの酸味やさっぱりした香りで食欲がわいてきますよね。
自家製ポン酢やドレッシング、ジュースを作るのもおすすめです。
旬の食材は栄養価も高く、一番おいしいとき!
皆さんはすだちで何を作りますか?
「身土不二」暮らす土地の旬の食材をたくさんいただきたいですね!!
【七十二候とは】 日本には、一年を4つに分けた「春夏秋冬」のほかに、一年を24等分し季節を表す「二十四節気」、さらに細かく一年を72等分した「七十二候」という暦があります。 七十二候は、四季折々のできごとをそのまま名前にしていて、5日ごとに新しい季節に移ります。 日本人は昔から、七十二候を田植えや稲刈りなど農耕の目安にし、節分やお彼岸、土用など季節の節目を知る暦として使っています。今では私たちの暮らしの中に溶け込み、馴染み深いものも少なくありません。また、七十二候では、植物や生き物たち、旬の食材などが紹介され、こまやかな季節の移ろいを感じるとることができます。 気候変動によって気候の変化も大きい現代には、少しずれているところもあるかもしれませんが、自然に寄り添う暮らしを思い出させてくれる知恵がいっぱいつまっています。 |
参考:白井明大・有賀一広(2020)『日本の七十二候を楽しむー旧暦のある暮らしー』角川書店.