今回は、自然にそった暮らし、七十二候の第五十二候「霜始降」について。
霜始降は、「しもはじめてふる」と読みます。
二十四節気では「寒露」から「霜降」へと移りました。霜始降は、「霜降」のはじめの七十二候、初候です。
いまの10月23日~27日ころになります。
七十二候は、自然に寄り添う暮らし方の知恵を紹介してくれています。
そのなかでも、EATでは旬の食材についてご紹介しています。自然にそった食べ方の参考にしていただけると嬉しいです。
二十四節気「霜降(そうこう)」
霜降とは、露が寒さによって霜となって降り始めるころのことです。
霜降から冬至までの間に北から吹いてくる風のことを「木枯らし」といいます。
七十二候「霜始降(しもはじめてふる)」
新暦で10月23日~27日ころ。
霜始降は、初めて霜が降るころのこと。
ぐっと朝晩の冷え込みが増し、地面や草木にうっすらと霜が降りてきます。
お月見には十五夜だけでなく、「十三夜」があるということをご存じですか?
昔は中秋の名月である十五夜からおよそ1ヶ月後、「後の月(のちのつき)」と呼ばれる十三夜もお月見をする風習がありました。このころに収穫される作物にちなんで、「栗名月」や「豆名月」ともいわれています。
旬の食材「とんぶり」
とんぶりの旬は10月~11月。
とんぶりとはコキア(ホウキギ)の種のことです。
おもに秋田県で栽培されています。直径1~2ミリほどで、見た目やプチプチした食感から「畑のキャビア」とも呼ばれています。
(画像:コキア)
とんぶりにはサポニンが含まれています。サポニンは動脈硬化や肥満予防、肝機能障害予防に効果があるとされています。また、丈夫な骨作りに必要なリンも含まれています。
とんぶりにはビタミンとミネラルがバランスよく含まれており、不水溶性の食物繊維も多く含まれています。
とんんぶりは、収穫したコキアの実の外皮を剥いたものを、茹でていただきます。
塩漬けにしてご飯やお豆腐にのせたり、納豆や長いもなどネバネバ食材と和え物にしていただくとおいしいです。また和風パスタのトッピングにもおすすめです。
旬の食材は栄養価も高く、一番おいしいとき!
皆さんはとんぶりで何を作りますか?
「身土不二」暮らす土地の旬の食材をたくさんいただきたいですね!!
【七十二候とは】 日本には、一年を4つに分けた「春夏秋冬」のほかに、一年を24等分し季節を表す「二十四節気」、さらに細かく一年を72等分した「七十二候」という暦があります。 七十二候は、四季折々のできごとをそのまま名前にしていて、5日ごとに新しい季節に移ります。 日本人は昔から、七十二候を田植えや稲刈りなど農耕の目安にし、節分やお彼岸、土用など季節の節目を知る暦として使っています。今では私たちの暮らしの中に溶け込み、馴染み深いものも少なくありません。また、七十二候では、植物や生き物たち、旬の食材などが紹介され、こまやかな季節の移ろいを感じるとることができます。 気候変動によって気候の変化も大きい現代には、少しずれているところもあるかもしれませんが、自然に寄り添う暮らしを思い出させてくれる知恵がいっぱいつまっています。 |
参考:白井明大・有賀一広(2020)『日本の七十二候を楽しむー旧暦のある暮らしー』角川書店.