今回は、自然にそった暮らし、七十二候の第六十二候「熊蟄穴」について。
熊蟄穴は、「くまあなにこもる」と読みます。
七十二候は大雪の初候「閉寒成冬」から次候「熊蟄穴」へ移りました。
いまの12月11日~15日ころになります。
七十二候は、自然に寄り添う暮らし方の知恵を紹介してくれています。
そのなかでも、EATでは旬の食材についてご紹介しています。自然にそった食べ方の参考にしていただけると嬉しいです。
二十四節気「大雪(たいせつ)」
大雪とは、真冬が訪れ、まさに大雪が降り積もるころのことです。
北国では、降り積もった雪が春まで溶けずに残る「根雪(ねゆき)」となる雪が降ってきます。
七十二候「熊蟄穴(くまあなにこもる)」
新暦で12月11日~15日ころ。
熊蟄穴とは、熊が穴にこもり冬眠するころのことです。
12月13日は正月の事始めの日です。
まず行われるのは「煤払い(すすはらい)」です。1年の煤を払い、汚れを落とし清め、新年を迎える準備をします。江戸城でこの日に煤払いが行われていたことから、庶民にも広がっていったといわれています。
そして、門松で使われる松を山へとりに行く「松迎え」があります。
旬の食材「ねぎ」
ねぎの旬は11月から1月です。
ねぎはお鍋やすき焼きで煮込めば甘くなり、また刻んで薬味として欠かせない食材ですね。炒め物やねぎ味噌などもおいしいですね。
白い部分が多い長ねぎ(根深ねぎ)、根元まで葉が緑色の青ねぎがあります。
ねぎを切ると濃い独特の香りがしますが、これはアリシンという香りの成分です。
アリシンは抗酸化力があり、殺菌力も強く、疲労回復や風邪の予防効果が期待されています。また血糖値の上昇を抑えたり血流をよくして体を温めてくれるといわれています。
昔からおばあちゃんの知恵袋として、風邪の際にねぎを首に巻くとよいといわれていたのは、このアリシンの殺菌力や体を温めてくれる効果があったからではないかともいわれています。
ねぎの選び方:
長ねぎも青ねぎも葉がピンとしていて、みずみずしいものがよいです。
また、長ねぎは緑と白の境目がくっきりとしていて厚みのあるもの、しっかりと硬いものを選びましょう。
旬の食材は栄養価も高く、一番おいしいとき!
皆さんはねぎで何を作りますか?
「身土不二」暮らす土地の旬の食材をたくさんいただきたいですね!!
【七十二候とは】 日本には、一年を4つに分けた「春夏秋冬」のほかに、一年を24等分し季節を表す「二十四節気」、さらに細かく一年を72等分した「七十二候」という暦があります。 七十二候は、四季折々のできごとをそのまま名前にしていて、5日ごとに新しい季節に移ります。 日本人は昔から、七十二候を田植えや稲刈りなど農耕の目安にし、節分やお彼岸、土用など季節の節目を知る暦として使っています。今では私たちの暮らしの中に溶け込み、馴染み深いものも少なくありません。また、七十二候では、植物や生き物たち、旬の食材などが紹介され、こまやかな季節の移ろいを感じるとることができます。 気候変動によって気候の変化も大きい現代には、少しずれているところもあるかもしれませんが、自然に寄り添う暮らしを思い出させてくれる知恵がいっぱいつまっています。 |
参考:白井明大・有賀一広(2020)『日本の七十二候を楽しむー旧暦のある暮らしー』角川書店.