【自然にそった暮らし】第五十七候「金盞香 きんせんかさく」立冬・末候

今回は、自然にそった暮らし、七十二候の第五十七候「金盞香」について。
金盞香は、「きんせんかさく」と読みます。

七十二候は立冬の次候「地始凍」から末候「金盞香」へ移りました。
いまの11月17日~21日ころになります。

七十二候は、自然に寄り添う暮らし方の知恵を紹介してくれています。
そのなかでも、EATでは旬の食材についてご紹介しています。自然にそった食べ方の参考にしていただけると嬉しいです。

二十四節気「立冬(りっとう)」

立冬とは、冬の気配が感じられるようになるころ。落ち葉や冷たい風が吹き、冬枯れの景色が広がりはじめます。
この日から立春の前日までが「冬」です。

七十二候「金盞香(きんせんかさく)」

水仙白

新暦で11月17日~21日ころ。

金盞香とは、水仙が咲きはじめ香るころ。

ここでいう「キンセンカ」とは水仙の花のことです。雪の中でも咲くことから「雪中花(せきちゅうか)」とも呼ばれています。

水仙には6枚の花びらの真ん中にある黄色い冠のような「副花冠(ふくかかん)」があります。この副花冠を杯に見立て、花びらを台として「金盞銀台(きんせんぎんだい)」ともいわれています。

旬の食材「れんこん」

れんこん

れんこんの旬は晩秋~冬です。

れんこんは穴が開いていて、先を見通せて縁起がよいといわれ、おせち料理にも欠かせない食材です。

れんこんにはビタミンCが豊富に含まれています。
また、ポリフェノールの一種であるタンニンが含まれており、活性酸素の働きを抑制、老化防止、心臓病予防の効果が期待できます。このタンニンがれんこんをカットすると褐色になってしまう原因です。さらに食物繊維も多く含まれています。

れんこん湯は風邪の「咳」をとめ、「痰」を切る効果が期待されます。れんこんのすりおろした絞り汁としょうが汁で簡単に作れます。塩やはちみつでお好みの味に調整して飲むとよいです。

れんこんの選び方:
ふっくらと丸みのあるもの、傷や色むらがないもの、ずっしりと重みのあるものを選びましょう。
カットして販売されているものは、断面が紫色になっているもの、穴の中が黒ずんでいるものは避けましょう。

 

旬の食材は栄養価も高く、一番おいしいとき!
皆さんはれんこんで何を作りますか?

「身土不二」暮らす土地の旬の食材をたくさんいただきたいですね!!

 

【七十二候とは】
日本には、一年を4つに分けた「春夏秋冬」のほかに、一年を24等分し季節を表す「二十四節気」、さらに細かく一年を72等分した「七十二候」という暦があります。
七十二候は、四季折々のできごとをそのまま名前にしていて、5日ごとに新しい季節に移ります。
日本人は昔から、七十二候を田植えや稲刈りなど農耕の目安にし、節分やお彼岸、土用など季節の節目を知る暦として使っています。今では私たちの暮らしの中に溶け込み、馴染み深いものも少なくありません。また、七十二候では、植物や生き物たち、旬の食材などが紹介され、こまやかな季節の移ろいを感じるとることができます。
気候変動によって気候の変化も大きい現代には、少しずれているところもあるかもしれませんが、自然に寄り添う暮らしを思い出させてくれる知恵がいっぱいつまっています。

 

参考:白井明大・有賀一広(2020)『日本の七十二候を楽しむー旧暦のある暮らしー』角川書店.

 

写真=pixabay
文=板倉由佳

 

Eat Act Tokyo編集部

Eat Act Tokyo 編集部 I つくる喜び、たべる楽しさ『自然にそった食べ方、暮らし方』をテーマに季節の食材を使ったレシピや心地よい食べ方を発信。私たちにも、地球にも、やさしい食べ方や暮らし方をご紹介しています。

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